〝音斎処〟

I Want A Music Using Rear Laser Audio


2019年の〝音斎処〟

2019〝音斎処〟

どうしても伝えたいBeatlesのこのコード進行

7月の〝音斎処〟では、英国での公式オリジナルアルバム12タイトルから三つを選んで、録音機材の違いのよる音づくりと云う観点から紹介しました。
私の好きなアルバムは、実はその中の二つ、 A Hard Day's Night と Abbey Road なのですが、これらのアルバムに収録されている曲が最も好きだ、というわけではありません。
今回は、私の最も好きな楽曲四曲をその理由とともに紹介したいと思います。

好きな理由を説明するに当たり、五年目の〝音斎処〟で初めて、ギターによるコード進行の解説という、凡そ音楽理論とは縁遠い私が行うというところに、〝音斎処〟の〝音斎処〟らしさがあると思います。

まず今日紹介する四曲を、さわりの部分だけ連続で聴いてもらいます。
紹介順は私の好きな順ということで.....


一曲目:You’ve Got To Hide Your Love Away

二曲目:It’s Only Love

三曲目:And Your Bird Can Sing

四曲目: We can work It Out

You’ve Got To Hide Your Love Away

邦題「悲しみはぶっとばせ」は、高嶋弘之(あの高嶋ちさ子の父親)による命名だそうです。
五作目のアルバム HELP ! 邦題『四人はアイドル』のA面3曲目に収録されている曲です。またこのアルバムは同名映画のサウンドトラック盤でもあります。アルバムの日本発売は1965.9.15 (昭和40年)のことです。

この曲はジョンの作品で、ボブディランに影響された曲と言われていて、ジョンの苦悩の時代の曲で、非常に内面的な詞になっています。

この頃になると四トラック・レコーダーでレコーディングされています。

特徴はドイツ製フラマス・フーテナニーの十二弦ギターで映画でジョン自身が演奏しています。

この曲の影響で高校一年くらいに12弦ギターを購入しました。当時確か八千円だったと記憶しますが、アリアギターで有名な荒井貿易(千種公園近くにある)にて購入しました。ギターとしてはそれほど優れたものではなく、合板製でメーカー名の表示がどこにもついていません。当時としても12弦が八千円で買えると云うのは、かなり破格だったと思います。

この曲のコード進行の面白さと言うのは、
G→Dsus4→Fadd9→C→G C→Fadd9→C(→D)この繰り返し二度目のあと、Dのまま小指でクリシェ
C、Gのコードフォームが通常と異なり1弦G音を小指で押さえたまま
これはコーラス部のDsus4→D→Dsus2→Dのコード進行のための伏線か?
私の感想は、ギターで遊んでて思いついた曲ではないか、と思っています。云ってみれば小指のマジック

It's Only Love

これもアルバム HELP!のB面2曲目に収録された、ジョンの作品です。
wikiによると、この曲をジョン本人は好きでなかったとのことですが‥‥。
この曲ではコードを弾くギターの音は殆ど聴き取れないが、アルペジオ風にギターが弾かれている。

この曲は、イントロで入るメロディーが曲全体のテーマ、モチーフとなっています。
コード進行は、先の曲と殆ど同じ Dsus4→D→Dsus2→Dで(但し、この曲は5カポで)、最期に装飾音としてDaugを加えたもの、小指で押さえる弦の位置が異なるだけ
モチーフの主音の最期の音が半音下がる構成になっている。

単音で弾くと違和感があるが、コード進行の中ではこれが気持ちよい、ちょっとお洒落な音となっている。但し、楽曲ではギターコードとしてハッキリ聴こえるわけではない処も味噌かもしれません。

このDaugの様に「aug(オーギュメント)」が付いたコードと云うのは、余りポップミュージックでは無いコードではないかと思います。ジャズでよく使われるコードのようです。

「悲しみをぶっ飛ばせ」のコード進行『Dsus4→D→Dsus2→D』でこの曲のテーマが弾けてしまうのも面白いところです。
「悲しみをぶっ飛ばせ」とは異なり、ここで使われるGもCも小指なしのコードフォームになっています。


And Your Bird Can Sing

7作目のアルバム Revolver のB面2曲目に収録されています。
このアルバムの日本発売は、 1966.10.5 (昭和41年)です。
アルバムのタイトル 「Revolver」 は、長い間『革命』から来ていると思っていましたが、レコードがらみのRPMの revolution (回転)から来ているというのが本当らしいです。発売当時の解説ではレヴォルバー(拳銃)がらみ説もあったと記憶しますが、今となっては定かではありません。

これはジョンの作品でドラッグ体験説がある楽曲です。

ポールとジョージのエピフォンカジノによるツインリードが曲全体を印象づける作品で、詞を聴かせる部分はオープンコード主体の簡単/単純なコード進行となっています。
GからDへの移行のためか?Gは小指有りのコードフォームが使われています。

この曲のコード進行は、bridge部分がキモだと思います。そのコード進行は F#m→F#m(maj7)→F#m7→B7 で、これはクリシェ(バロック音楽の手法、らららクラシックで解説された)で『同じ和音が長く続く時、構成音の一つを半音・全音づつ変化させて行くこと』、四弦の音が半音ずつ下がって行くのが特徴になっています。

このコード進行をカッコイイと思った最初の曲は実は「夏よおまえは」‥‥1970.6.1 ベッツイ&クリス の曲で、F#m→F#m(maj7)→F#m7→F#m6と言う流れで使われています。
更にこの同じコード進行をやや早めに連続して弾くと、辺見マリの「経験」(1970.5.11)のイントロになるのがオモシロイ‥‥

この楽曲は曲の終わり方がまた良いと思います。ギターコードではG/Dつまり、実際には2弦から4弦までの開放弦を弾く下ろす形です。レコードではギターの4絃相当の音がポールの弾くベースで連続して流れてきます。


We Can Work It Out

邦題は「今日を抱きしめよう」:素直に訳すと「我々はうまくやって行けるさ」? 
今日紹介の中で唯一シングル発売された曲です。但し、CD未発売となっているアルバム「オールディーズ」には収録されています。「オールディーズ」の日本発売は 1966.1.15(昭和41年)です。
ジョンとポールの共作と言われていて、主にポールが作曲したと云われています。

この曲のコード進行は、前三曲の集大成ともいえるもので、 D→Dsus4→D→Dsus4→C→D
 と、いたって簡単なコードで構成されています。C、Gは小指有りのフォーム

bridge部