〝音斎処〟

I Want A Music Using Rear Laser Audio


DENON

DENONのターンテーブル二機種の違い

こちらはDENONのDP-5000F

もともとは放送局用に作られたターンテーブルを母体としているため、アームリフト機構が付いていない。その代わりに回転数の微調整用ボタンが付いている。
なぜアームリフト機能が無いかというと、DJ(ディスクジョッキー)が予め音出しをしたり、MC終了後すぐに音を立ち上げるのには直接アームを操作したほうが確実であり、早いからだそうです。
それと放送局などの現場では、余分な機能が付いているとメンテナンスが煩雑になるため、できる限りシンプルなものが向いているからでもあるようです。アームリフト機構がなんらかの理由で機能しなくなったら放送事故‥‥なんてこともありうるからですね。
なのでこの機種では静止状態から規定回転数に立ち上がるまでに確か三分の一回転くらいしかかからなかったと記憶します。ということは、予め音楽が始まる場所を音出しして、そこから三分の一回転分戻したところでアームを下ろしたままにしておけば、MC終了後スタートボタンを押して最少時間でレコードを聴かせることができるわけですね。


DP5000F


こちらは
DENONのDP-55L

もともとはDJ(ディスクジョッキー;現在のDJではないので要注意)用途に作られたターンテーブルDP-5000Fとは違い、こちらの機種は完全に民生用(家庭仕様)なのでアームリフト機構が付いています。しかもセミオートで、LIFTERのDOWNボタンを押せば自動的にアームが下がり、片面終了後にはアームがアップします。
このアームリフターに関しては、レコード盤をターンテーブルに乗せた後にボタンを押せば、あとは勝手にアームが盤上に移動してダウンし、レコード終了後にアップしてアームレストに戻ってくる、というフルオートのものもありました。

DP-55L

その他の違い

この二機種の上記以外の違いは、ターンテーブル自体の違いというより、レコードプレーヤーとしての機能の違いというべきかもしれません。
この写真からはわかりませんが、DP-5000Fにセットされているアームには針圧調整機能が付いていません。これはどういうことかというと、DP-5000Fにセットされているアーム、DENONのDA-303という型番ですが、は同じくDENONのDL-103というMCカートリッジ専用に設計されたものだからです。したがって、このアームではカートリッジを取っ替え引っ換えして音の違いを楽しむと言うことができません。これも元々は放送局向けの仕様なのだそうです。もちろんヘッドシェル(カートリッジを取り付ける筐体)もDL-103専用のものなので、オーバーハングの調整もできないわけです。

と、ここまで書いてきて、思えばめんどくさいことをやってたもんだ、と‥‥。当時はそれが当たり前だったのであまり気にもならなかったのですが、今はレーザー・ターンテーブルがあるので、針圧もオーバーハングも全く考慮する必要などありません。レコード盤と物理的に接触しないレーザー・ターンテーブルではそうしたことは全く関係がないのです。
そうそう思い出しましたが、写真でわかる通りターンテーブルのアームというのはレコード盤の外周から中心に向かってわずかにカーブを描きながら移動します。レコード盤の半径を直線で移動しないんですね。一時期リニアトラッキング方式という針が半径に沿って外周から一直線に移動する機種もありましたが、結局主流にはならなかったようです。
レーザー・ターンテーブルの場合には、外からは見えませんが、レーザーピックアップが直線移動するようです。

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