〝音斎処〟

I Want A Music Using Rear Laser Audio


ハイレゾ

ハイレゾってナニ

ハイレゾってナニ

ふくろうまつり

ふくろうまつり2019の壱


今年もまた、岩村にてふくろうまつりが開催されます。
〝音斎処〟もできる限り参加しようと考えています。
今年最初のふくろうまつりは三月十日に開催されます。
ただ、この時季はまだ岩村恒例のひなまつりと重なります。
従って、多くの人出が見込まれますが、ひな人形を飾る関係で開催場所・スペースの制約を受けてしまいます。
そんな訳で、今回はハイレゾでの参加になります。
アナログ盤をレーザーターンテーブルで再生したものをDSD5.6にてデジタイズした音源をDSD5.6にて再生しようと考えています。
ハイレゾ音源に興味の有る方、是非一度覗いてみてください。

iMac 英会話(今年はMacで英会話)

レコード盤を音源としてハイレゾ化する方法については、色々試しているのですが、これが結構色々なテクニックを必要とするものです。
そこで今回は、レコード盤のデジタル化の入門編として、iMacで知っておくべきある機能を紹介しようと思います。
その第一回としてこんなタイトルでお送りしたいと思います。『 
iMac 英会話(私はMacで英会話): テキスト無しで「しごとの基礎英語」を楽しむ方法 』
尚本文はPDFです。悪しからずお許しください。

iMac英会話

〝音斎処〟最新情報

第四回の〝音斎処〟『昭和の歌謡曲』は無事終了しました。当日は天気が芳しくなかった事もあり、大幅な集客増はできませんでしたが、常連さんを中心に10名ほど、スタッフを入れると14人ほどで音楽鑑賞を楽しみました。
〝音斎処〟は無料開放、出入り自由で行っています。運営費の足しにと、紙コップを100円で購入していただきコーヒーを飲んでいただいているのですが、常連となられた皆様は、もう入ってくるとすぐに100円を用意されているといった感じで、嬉しい限りです。

〝音斎処〟の開催場所は、恵那市岩村町にある今は使われていない古い民家です。
下の写真がその外観です。
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中は、生活に必要な家具類や畳などが取り払われた、がら〜んとした空間ですが、なぜかとても良い音を響かせてくれます。
そんな空間に、以前家主の方が仕事で使われていた大きくて重い重機が二台おかれていて、そのうちの一台がDJ用に機材を載せるのにぴったりの物で重宝しています。


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会場の全体はこんな感じです。

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〝音斎処〟では、毎回テーマを決めて音楽を楽しむのですが、基本的にはレコード盤に刻まれた音楽(ジャンルは色々)を楽しんでいます。
ただ、それだけではなく、使用する機材(オーディオ機器)や最近のオーディオ技術の紹介もそれとなく行っています。
今回は、そんな中で『ハイレゾ』といわれる最新技術を採り上げてみました。
詳しくはネットでお調べいただくとして、かんたんに『ハイレゾ』を説明すると、CDの音質を越えた音質で記録されたデジタル音源、或いはそれを作り出すデジタル装置・技術のことです。
今回はそんなハイレゾと呼ばれる技術の中で『DSD』と『PCM』を採り上げてみました。

それともう一つは、古いアンプとスピーカーでハイレゾを聴くとどんな音になるんだろうという隠れたテーマもありました。
結論から言えば、結構良いじゃん、という一言になってしまいます。

今回使ったスピーカー(写真左下)は、1975年頃の三菱ダイアトーンのDS-251マークツーというものです。
流石に当時良く売れて評判の良かったものだけに、来られた中にもその名をご存知の方がみえました。
自宅に置いておくとちょっと大きいかな、といった筐体ですが、会場に持ち込んでこうして写真を見ると結構小さくみえます。

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下の写真で、手前の方に見えるのは、常連のお一人が40年近く前に自作された真空管式のパワーアンプです。
このアンプに、先日修理を終えたYAMAHAのCA-2000のフォノEQを通したターンテーブルの音を繋いでいるところです。
かなり年代物なので、巧く音が出るか‥‥と心配しながら針を落とすと、とても柔らかな真空管らしい音で鳴り出しました。
スピーカーとの相性も良いようで、やはり年代物同士の相性は巧くいく、と感心してしまいました。

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結局いつも通り予定を大きく上回り17時近くまで、あれやこれやの意見交換会が始まりました。
やはりレコード好きの皆さんは、オーディオもお好きなようで、使用した機材や技術的なこと、それにレコードのあれやこれやと、この時間が一番楽しい感じでわいわいやってました。


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今回人数的にはそれほど多くなかったかもしれませんが、毎回楽しみにしていただいている様子、またお友達を誘ってくださるなど、〝音斎処〟と岩村の良さを共有してくださる方々が徐々に増えている実感はありました。

次回のテーマは『大瀧詠一さん」ということをお知らせしたら、必ず来ます。との心強いお言葉もいただけました。

今回おいでいただいた方々は、瑞浪、明智と比較的岩村に近い方々から、遠くは豊田、日進、名古屋の緑区からおいでいただきました。

最近の関心事 〜 続き 〜

自分のオーディオシステムで「最短の増幅回路」をどう組むか‥‥。これを考えた時に思い当たったのが、LTのフォノ出力のことだった。

ここで今一度フォノ出力について確認すると‥‥フォノ出力とは、イコライジング用の増幅回路を通らない出力、つまりレコード盤の音溝をトレースした時に最初に得られる電気信号のことである。

LTのフォノ出力は、先述した通り、カタログ上では3.2mVと、一般的なMMカートリッジとほぼ同じ値である。ところがカタログには明記されていないが、大本はラインレベル(300mV = 0.3V)程の値であるという。元々ラインレベルの高出力を得ていながら、一般的なオーディオ製品の規格にあわせるために、わざわざ減衰させているのだという。これはモッタイナイ‥‥使わない手はない‥‥と、やっと気付いたのだ。
そんなこんなのいきさつで、わが家のレーザーターンテーブルは、今さいたま市の南浦和にある実家に里帰りしている。(改めて確認した処、LTのフォノレベルは400mV = 0.4Vだということだ。)

ついでにフォノEQの話をすると;
LTの(というかすべての製品の)フォノ出力がラインレベルになると、実は大変困った問題が起こる。今まで使っていた、或いは売られている、フォノEQ製品は、使えなくなってしまうのだ。現行製品はフォノ出力としてラインレベルの高出力を想定していないので、そのまま使うと、恐らく、壊れる。じゃァどうするのか?

解決策の一つは、LTを世界で唯一製造・販売している(株)エルプが現在開発中のフォノEQアンプを購入する;今一つは、ラインレベルの高出力を使ってフォノEQの役割を果たせる製品を探す、のどちらか(銭があれば〜ァ、両方)だろう。自作という手もないわけではないが、ハンダ鏝を握るのがやっとの私にとっては、自作は思考外である。
デモそんな都合の良い製品があるのか??
ということで辿り着いたのがコルグの製品だ。

レコード盤をアーカイブするためにDSD録音が可能なDACを探していて、たまたま出逢ったのがコルグのDS-DAC-10Rという製品だ。これがなんと機能的にも価格的にも私の希望にぴったりの製品だった。

どうもフォノEQも奥が深いらしい。この深淵にも以前からモヤモヤサマーズ的な想いがあったのだが、その燻る想いに火をつけてしまったのがM氏に紹介されたあるサイトの記事だ。

RIAA,最近では「リア」とか読むらしい、がフォノEQに関係しているということは、学生時分から知っていた。RIAAというのは「アメリカレコード協会」の略で、正しくは「Recording Industly Association of America」だそうだ。この協会が1954年に規格化したのが「RIAAカーブ」で、レコードの録音・再生用のカーブのことである。

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なんとこのカーブ私とオナイドシじゃん。
私はてっきりRIAAはすべてをカバーする、と思っていた。私の学生時代の情報なんてそんなもの。今のようにタダで情報とりまくり、なんて時代ではなく、信頼できる、使える情報は、それなりにお金や時間を使わないと得られなかったのだ。その結果が「RIAAはすべてをカバーする」という思い込みであり、BassとTrebleが何故アンプについているのかが疑問として残ったままの状態なのだ。

「時」は多くのことを解決する。還暦を過ぎた今、学生時代の思い込みや疑問を解決する時間と手段は多くなった。そんな中また調べ始めたのがフォノEQとRIAAカーブだった。

コルグの製品は、このフォノEQカーブを6種類備えている。RIAAカーブ以外に五つあるということだ。しかもこのカーブを適用する場面を選択できる。「掛け録り」と呼ばれる仕方と「後掛け」と呼ばれる仕方の二つだ。なんだか「掛け蕎麦」と「盛り蕎麦」の違いのような感じだが。「掛け録り」は文字通りフォノEQカーブのどれかをONにしてレコードを録音・モニターする、「後掛け」はフォノEQを一切使わずに録音・モニターした音を、再生する時に6種類から選んだ一つのカーブを適用するわけだ。
前者で録音すれば、好みのフォノEQカーブで再生した音が保存でき、後者で録音すればフォノEQを通さない音が保存できるため、再生の度に異なるカーブで聴くことも可能になるのだ。
思うに、レコードのアーカイブには後者が適しているといえる。将来フォノEQ機能をソフトウエアとして提供する製品が増え、優秀な製品が現れたら、アーカイブ音源を損なうことなく、最新技術の恩恵を受けられるのだ。
まぁそうした需要も徐々に出てきたんだろう。

アナログの見直しによってデジタルも活気づく‥‥どちらかがどちらかを淘汰しておしまい、という風では経済が回らなくなった、ということだろう。これからは、アナログ、デジタルそれぞれがそれぞれの特徴や長所を認めあい、巧く融合していく時代になるんだろうなぁ。そうなることを大いに期待したい。
音に関していえば、アナログ、つまり連続音にまさるものはない(とおもう)。今ハイレゾなんて呼ばれる音の技術もしょせんレコードの音質に追いつこうとしているに過ぎない。
私などはハイレゾなどというデジタルの技術も重要だが、こうした高いデジタル技術でより(というか、圧倒的に)精度の高いグルーブ(音溝)をもつレコード盤を作った方が、経済的な意味でもより効果があるように思うのだ。

その意味でコルグの製品は先進的で面白い製品だと思うし、レーザーターンテーブルと組み合わせて得られる音というのはかなり先進的なものだと思えるのだ。

〝音斎処〟では今後このような方向でのレコードコンサートも企画していきたい。

最近の関心事

レーザーターンテーブル(以降、LT)のフォノ出力のラインレベル化とフォノEQ未通過の音、というのが最近の私のもっぱらの関心事である。
とは言え、フォノEQ未通過の音は、いま里帰りしているLTが帰ってきて、実際に聴いてみないと何とも言えないことなのだ。

そこでLTのフォノ出力ラインレベル化について少し‥‥。

レコードプレーヤー(再生装置)であるLTは、当たり前のことだが、一般的な針を使ったそれと同様、レコード盤の音溝をトレースして、そこに刻まれた音の波形を再生している。針の場合は実際に針が音溝に触れてトレースしているのに対し、LTはレーザー光によってその音溝をトレースしている。トレースよりもスキャンの方が当たっている。

針は音溝に接触して、刻まれた波形に従って振動し、その振動が電気信号に変えられ、増幅されて我々の耳に届く。LTでは、レーザー光を盤面に照射し、反射光によって音溝の波形を電気信号に変換している。この二者には二つの重大な違いがある。
一つは接触しているか否か、今一つは発電している場所である。

発電と書いたのは意味のあることで、物理的な波形を電気信号に変えるには、波形をトレースする針の振動を電気信号に変換する必要がある。この変換がまさに発電なのである。これは「電磁誘導」と呼ばれ『フレミング右手の法則』で説明される。

レコード盤が発明された当初は、単純に針で得られた震動音を、大きなラッパ型のスピーカーで聴いていた。この原理は「糸電話」と全く同じである。
処がこの方式ではきこえる音量に限界がある。より大きな音を得るためには、より大きなスピーカーが必要となるが、そこには自ずと限界と制約があるわけだ。そこで考え出されたのが発電方式である。

振動を電気に換えて、その電気を増幅すればより大きな音が得られるのでは、と考えたのだろう。その発電の役割を担っているのが、一般的なレコードプレーヤーに付き物のカートリッジである。
カートリッジとは、振動体である針と発電体である磁石とコイルとが一体化された箱のようなものだ。カートリッジの基本的な構造は、発電機やマイクロフォンと同じである。つまり磁石とコイルを使って電気を作る、つまり発電するのだ。

この方式の欠点は、以前よりも大きな音量を得られる様になったものの、発電で得られる電気は微量であるため、その電気を大きくする、つまり『増幅』をしてやらなければ鳴ら(成ら)ない点だ。
カートリッジがどれ位の電気を発生させられるかというと、例えばアキュファーズのAC-5で0.24mV(1KHz 5cm/sec)とかなり微弱なものだ。デノンのDL-103で0.25mV、同じくDL-110で1.6mVである。普通のオーディオ機器(CD再生装置など)のライン出力が0.5Vから1V位の間なので、高出力型と呼ばれるカートリッジでもかなり微弱な電気しか得られないのだ。つまり、レコード盤に接触しながら、レコード盤に最も近い場所で発電しているカートリッジで得られる電気には、自ずと限界があるといえる。

他方LTでは、まずレコード盤と物理的に接触して発電をしていない。光の反射により発電をし、しかもその発電はレコード盤から離れたところで行われている。(光をどのように電気に換えているのかは、私では理解できないので、ここでは説明しないが‥‥。)その結果、カートリッジで得られる電気よりもはるかに大きな電気を得られるようなのだ。
実際LTのフォノ出力は「大本(おおもと)」では、ラインレベルの電気を得ているという。(これには、どうも鏡が関係しているように思うのだが‥‥。)

ところが製品としてのLTのフォノ出力は、カタログ上では3.2mV(1KHz 5cm/sec)である。先のDL-110の倍の出力がある。しかし、これはフォノ出力としては高い方であるが、ライン出力に比べるとケタ違いに低いのだ。なぜなんだろう。という疑問は残るが、それは後回しにする。

ここで、どうしてフォノ出力のレベルが問題になるのかを説明したい。どのような理由からフォノ出力で大きなレベルを得たいのか、である。簡単に言ってしまえば、小さなものを大きくする時には、必ずといっていいほど、歪みが生ずるからである。つまりよい音が得られないからである。

電気信号を大きくすることを増幅というのだが、この増幅は歪みとの戦いでもある。増幅は英語では「amplification」、動詞なら「amplify」で、オーディオ用語で必ず表れる「アンプ」はここから来ている。さらにオーディオの世界では、この「アンプ」は『金のかかるもの』の代名詞といっても過言ではない。なぜ金ががかかるかといえば、先に述べた「歪みとの戦い」には膨大な戦費が必要となるからだ。(湾岸戦争か?)
逆に考えれば、歪みを小さくするには、増幅回路が短ければよい‥‥結局当たり前のところに戻ってきた感がある。

〜 続く 〜

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安価にレコードをハイレゾ化する方法

手持ちのレコードをハイレゾ化したいという考えている方は多いのではないだろうか。
巷には「一発でレコードをCDに」的な製品が色々と出回りつつある昨今、食指が動いている方もきっと多いのではないかと想像する。というのも、かくいう私もその一人だったからだ。
だが、結局その手の製品には手を出さずに過ごしてきたのには理由がある。ほとんどの製品がハイレゾには対応していなかったからだ。

ハイレゾってなにと問われれば、一般的にはCDの音質を超えた音質と応えることになるのだが、今一つ分かりにくいかもしれない。もっとざっくり言ってしまえば、アナログのレコード盤から聴こえる音に限りなく近い音ってことになる。まあ、これでも結構分かりにくいのだが‥‥。
ハイレゾについての技術的・理論的な詳細は、私などよりも丁寧に分かりやすく解説されたものがネット上には沢山あるので、ご自身で検索していただくこととして、ここでは192kHz・24bitをハイレゾの基準として、比較的安価にレコードのハイレゾ音源化を達成できる方法を、自身の経験からお伝えしてみたいと思う。

安価とはどの位かをまずはっきりしておかねばならない。なぜならオーディオの世界では「20万円」でも安価、「100万円」でも安価というようなことは当たり前にあるのだからだ。
ここでの安価は「五万円を超えない金額、できれば三万円以内」ということだ。

まずレコード盤をハイレゾ化するにあたり条件がある。というのは、ハイレゾ化とは、アナログをデジタルに変換することだからだ。
従って、
⒈コンピュータが必要
⒉レコード・プレーヤーが必要
⒊アナログをデジタルに変換する機器が必要
と、最低でもこの三種類の機器と肝心のレコード盤が必要である。
そして、コンピュータにはレコード盤を録音するのにソフト(アプリケーション)が必要なのは言うまでもない。

さて、前述した「五万円を超えない金額」でこのすべてを揃えるのは、正直無理である。
「五万円を超えない金額、できれば三万円以内」でレコードのハイレゾ化を実現するには、既にコンピュータは持っていて、レコード・プレーヤーも持っていることが前提の話となってしまう。
コンピュータは持っているが、レコード・プレーヤーを持っていないという方であれば、最近ソニーから五万円台(ソニーストア価格)でハイレゾ対応のレコード・プレーヤーが発売されたばかりなので、迷わずこちらをお勧めする。この機種は今年三月に発売以来、予約・注文が相次ぎ出荷遅延が起きるほどの人気商品となっている。

閑話休題

本題に戻り、『安価にレコードをハイレゾ化する方法』の対象者は以下のような方を念頭に置いている。
⒈それなりにレコード盤を持っている
⒉コンピュータは持っている
⒊レコード・プレーヤーも持っている
⒋今もっているものを元にレコード音源をiPodやMP3プレーヤー、ハイレゾ・プレーヤー等で持ち歩きたい・保存したい

レコードをハイレゾ化する手順は、ごく単純化すると以下のようになる。
 
レコードをプレーヤーで再生する ⇒ 再生している音をコンピュータに取り込む
言ってしまえばこれだけのことだが、ここで最も重要なのが『アナログをデジタルに変換する機器が必要』ということだ。
アナログの世界では、プレーヤーとレコーダーをコードでつないでしまえば録音ができたのだが、それはアナログ同士で電気的な遣り取りをしているだけだったからだ。コンピュータに録音するとなると電気的な遣り取りを、コンピュータで扱えるデジタルに変換してやる必要がある。デジタイズである。このデジタイズにはハードとソフトの二つの要素が必要なのだ。そして、その両者がレコードのハイレゾ化において価格的な障害となっているのである。

まず、ハードだが、これは一般的にADCとかDACとか呼ばれるものだ。ADCはAnalog-Digital-Converter(アナログ・デジタル変換器)、DACはDigital-Analog-Converter(デジタル・アナログ変換器)と呼ばれるもので、その両方の機能を持っているものも市販されている。いずれにせよ、アナログ音源を録音のためにデジタルに変換し、そのデジタル音源をスピーカーで聴くためには再度アナログに戻してやる必要がある。そのために、デジタイズ、ハイレゾ化にはこうした機器が絶対に必要なのだが、実はこれが結構高価なのだ。勿論ピンからキリまであるのだが‥‥。ここでは、どちらかというとデジタイズ初心者向けに、この変換用の機器とソフトのコスト・パーフォーマンスの高いものを紹介してみたい。

ヤマハには色々な音楽関連の製品があるが、ミキサーにも伝統的に面白い製品がある。
インターネット配信をサポートするウェブキャスティングミキサー』と銘打たれた小型のミキサーがそれで、低価格にもかかわらず192khz・24bitのハイレゾ対応USBオーディオインターフェースを備えているのだ。
私が使っているのは、
AG06という機種アマゾンで2万円以下で購入したが、これ以外にもチャンネル数は少ないが機能的に同等なより安価な機種もある。この機種はどれもAD/DA両方の変換機能を備えており、USB経由で192kHz・24bitのハイレゾ録音が可能である。この「192kHz・24bit」がUSB経由でサポートされていてこの値段は、極めて安価だと思う。
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コンピュータとこのミキサーがあれば、あとレコード・プレーヤーをミキサーにつなげばレコードのハイレゾ化の準備はホボ完了なのだ。

と、ここでアナログ・レコードやアナログ・オーディに知識のある方は、ちょっと首を傾げるかもしれませんね。
フォノ・イコライザーはどうするの?

実は、レコードのハイレゾ化に際してハードルを高くしている要素の一つに、フォノ・イコライザーの存在がある。安くても信頼できるものはこれだけで二万円くらいはするのだ。
ここでフォノ・イコライザーの役目を説明しておくと‥‥;レコード盤に刻まれた音溝(グルーブ)は、実は演奏された音そのままを溝に刻んではいない。詳しいことは自習にお任せするが‥‥、単純に言うと「低音部分を減衰し、高音部分を強調する」という処理をして溝に切っているのだ。なので、再生するときには逆の操作が必要となる。その操作をしている機器がフォノ・イコライザーだ。最近発売されるレコード・プレーヤーはこのフォノ・イコライザーを内蔵したものが多い。先に挙げたソニーの新製品もフォノ・イコライザー内蔵型である。
大雑把だがフォノ・イコライザーがなぜ必要なのかはお分かりいただけたものとして‥‥;

今回は、せっかくコンピュータを使ってのハイレゾ音源化なので、フォノ・イコライザーの役割をコンピュータ上の編集ソフトに任せることにする。
先に『コンピュータとこのミキサーがあれば、あとレコード・プレーヤーをミキサーにつなげばレコードのハイレゾ化の準備はホボ完了』と書いたが、コンピュータにはハイレゾ音源化の為の編集ソフトが必要で、この編集ソフトが結構高価だったりする。マックを買うとついてくるガレージ・バンドというソフトでも代用はできるが、これはせっかくの192khz・24bit音源の編集には対応しいないのだ。そこで、192khz・24bitのハイレゾ音源編集用に新たなソフトをインストールする必要がある。お勧めはAudacityというフリーウエア(無料のソフト)。マックにもウインドウズにもリナックスにも対応しているソフトで
こちらでダウンロード可能である。
Audacityの使い方に関しては、さほど難しい操作は必要ないので、インストール後すぐに使い始めることができるとはずである。
このAudacityの編集機能の中に「イコライゼーション」があり、そこで「RIAA」を選べば、フォノ・イコライザーがなくてもレコードの音をフォノ・イコライザーを通したのと同じように録音・再生できるのだ。
ただ一つだけ注意が必要なのは、レコード・プレーヤーからの再生音をミキサー経由でコンピュータに取り込んだだけでは、音量が極めて小さなものになる。そのため、Audacityの機能を使ってこれを「増幅」してやらなければならない。

実はフォノ・イコライザーの機能をソフトウエアに任せるという手法を、レコード音源のハイレゾ化で最初に取り上げたのには理由がある。一つは上述した通りコスト的な問題だ。今一つは、このフォノ・イコライゼイション自体の抱える闇というか謎みたいなものがある。(詳細はここでは省略するが)極めて単純化すると、一台のフォノ・イコライザーですべてのレコード盤に対応するには無理がある、ということだ。そのため、将来的なことも考慮して、フォノ・イコライザーの部分はソフトウエアに依存しておいた方が音質的にも有利になるということである。

こうしたデジタイズにあたっての手順や操作方法などは、今後〝音斎処〟でのワークショップでお伝えしたいと考えている。

今回は『「手持ちの」レコード、レコード・プレーヤー、コンピュータ』にヤマハのAG06とAudacityを追加すれば、かなり安価にレコード盤のハイレゾ音源化が可能であることを理解していただけたらと思う。

あけてつSLフェスタ 賑やかしコンサート

 明知鉄道の気動車内で自身の満60歳レコードコンサートを昨年夏に開催して以来のお付き合いとなった明知鉄道・広報担当の伊藤さんのご計らいで、明知鉄道・恵那市の肝いりの〝あけてつSLフェスタ〟のお手伝いを、微力ながら果たすことができました。

 昨年来、気動車内でのレーザーターンテーブルを使ったレコードコンサートを都合四回、レーザーターンテーブルにてハイレゾ化した音源を使った賑やかしを二回と短期間に何度かのチャンスをいただき感謝の限りです。私としてはその都度運営ノウハウを蓄えてきて、結構良い勉強になっています。一応〝十年後はアムトラックでレーザーターンテーブルを使ってレコードコンサート〟を目標にしている(とエナカで公表してる)ので、それまでの期間できる限り色々な場所で色々なことを勉強している真っ最中‥‥その意味で明知鉄道の皆さんには感謝、感謝です。
 昨年の明知鉄道の開業80周年記念「明知鉄道まつり」の前後に広報の伊藤さんと話をしてたのは、SLが復活したら蒸気機関車が引っ張る客車の中で是非レコードコンサートをやらしてくださいね、ということだったんですが、それにはまずSLの営業運転の復活が必要です。今回のSLフェスタは営業運転の復活に向けて大きな一歩を踏み出したのではないかと思います。

 今回流したのは
別記事でお知らせしている通り、鉄道に関係する楽曲の数々です。
 日本で鉄道、蒸気機関車といって多くの人が思い浮かべるのは恐らく『汽笛一声新橋を はや我が汽車は離れたり』でお馴染みの「鉄道唱歌」だと思います。それほど一般によく知られている唱歌なのですが、私の選曲からは外してあります。理由は幾つかありますが、この楽曲の原盤、いや少なくともSP盤で録音されたもの、を私自身が持っていないというのが最大の理由です。CDやごく新しい録音のLP、あるいは今一般的なYouTubeを利用すれば簡単に音源は確保できるのですが、私にとってはそれでは意味がないのです。今回も、メイン会場での生演奏では「鉄道唱歌」が流れていましたが、言ってしまえばこの楽曲は誰でもすぐに思いつき、演奏してしまうものなのです。だから私が取り上げなくてもこの種のイヴェントでは必ず聴けます。この点が二つ目の理由です。

 今回流す楽曲をハイレゾ化するにあたって、リストにある曲の収録されたレコードを全て探し出し、全て聴き直してみました。その後、順番や同じ曲の別ヴァージョンなどをどう組み合わせるかとアレヤコレヤ試してみました。実はこの時間が私にとっては一番楽しい時間なのです。そうこうして50曲以上を聴いてみて改めてわかったのが、鉄道とりわけ蒸気機関車がいかに身直な存在で、歌に唄われることの多い存在だったかでした。洋の東西を問わず‥‥という言い回しがありますが、まさにその通り。日本だけでなくアメリカ合州国でもイギリスでも、ジャンルで言えばフォークソングでもロックでも歌謡曲でも‥‥とにかく鉄道・蒸気機関車をテーマにした楽曲が多いのです。今回の選曲で表現したかったのは、そうした『鉄道』の親近性、popularityです。
 人は都会に憧れて故郷を離れるときに鉄道に乗ります。恋人と出会うのも別れるのも鉄道の駅です。一旗揚げようとする人、夢破れて傷心の人‥‥色々な人が行き交う場所が鉄道の駅であり、それを繋いでいたのが線路でした。そしてその上を色々な想いの人たちが乗った列車が行き来します。
 今回の選曲は、誰でも思いつくものよりも「えっこんなところに‥‥」とか「えっこんな歌手も‥‥」といった意外性を中心に、また「そういえばこの歌、遮断機が出てくるんだ〜」とか「こっちでは新幹線は200キロだけど、こっちの曲では250キロだ。この間なん年経ったのかな?」といった想像をかきたてる様なものを中心にしています。
 ただ残念なことにレコードの溝に刻まれた「鉄道」「蒸気機関車」はそのほとんどが国鉄時代のもの。この国鉄民営化とレコード盤の衰退はほとんど同じ頃に起きています。国鉄が分割され六つの旅客鉄道会社と一つの貨物鉄道会社が発足したのが1987年4月1日。CDがレコード盤の売り上げ総数を超えたのも1987年だそうです。<出典:
http://gigazine.net/news/20140825-music-from-1983/

 今回の選曲の中で私の一番のお気に入りは〝BLUE WATER LINE〟というフォークソングです。<参考:
http://petitlyrics.com/lyrics/169620
 ここでは詳しくは説明しないので気になる方は参考にあるリンクで歌詞を確認してください。
 大まかに言えば、この楽曲〝BLUE WATER LINE〟はいま日本の全てのローカル線が抱えている問題を歌っていると言えます。
   〝BLUE WATER LINE〟とは「青水線」ということで、私たちが「明知線」というのと同じです。
   その「青水線」の廃線が決定され、古い9号機関車がスクラップにされる。
   「青水線」には長い歴史があって、様々な歴史的出来事と関わっている。
   「青水線」に乗り続けることとわずかな寄付で「青水線」を残そうよ。
   ポケットの奥に忘れてる小銭でもいいから寄付しようよ。

 そんなことが歌われているのです。歌っているのはアメリカ合州国のフォークグループ、ブラザース・フォアで1962年の作品です。

あけてつSLフェスタ 選曲リスト

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この選曲には色々とひねりを加えてあります。
〝なぜ?〟と思うものもあろうかと‥‥でも、よく考えると〝納得〟となるでしょう。

8月9日 明知鉄道・明智駅前 賑やかしコンサート

5月23日(土)に続き〝賑やかしコンサート 第2弾〟を来る8月9日(日)に、岐阜県恵那市明智町にある明知鉄道・明智駅にて行います。
先回の〝賑やかし〟が功を奏したのか、『またやってみる?』とのお誘いがあったので二つ返事でお応えしました。

今回はなにやら大きなイベントがあるらしいとのこと。まだ詳細は明らかにできないということのようで、内容はよくわからないのですが、なにやら明智駅と大正村駐車場辺りを中心にいろいろありそうな模様です。以前新聞にも載っていた「蒸気機関車を走らせる」イベントかな?と勝手に妄想しているのですが、とにかく鉄道に関係するかなり大きな催しのようなのです。
そこで今回は〝鉄道〟をテーマにした楽曲をいろいろ集めてみました。因みに5月23日は「さわやかウオーキング」のゴールだったので、参加する方々の年齢に合わせて懐かしの洋楽・歌謡曲を流したのです。

〝鉄道〟をテーマにした楽曲というと、私の年代だと一番単純に思い浮かべるのは映画『鉄道員』のテーマということですが、これはあまりにもヒネリの無い選曲です。

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かといって、こんな直接的なタイトルのLPではもっと能が無いし、その上こんなタイトルのLPはほとんど誰も知ら無いだろうし…、と萎縮しつつある脳を活性化すべく色々手持ちのレコード盤を探してみました。頭ってつかうもんですねぇ、そうやって色々探していると在るわ有るわ結構鉄道に関係する楽曲ってありますね。
例えば『線路づたいの細い道』なんて曲、残念ながら今回は使いませんが、名古屋出身の男女デュオ・チェリッシュの曲なんですが、明知鉄道の沿線にもありそうな風景を歌っています。よほどのファンでないとおそらく知らないでしょうね。実はかくいう私も今回レコード盤を探し回るまでは全く知りませんでした。

鉄道がテーマといっても、色々考えられます。

汽車、電車、気動車、機関車、客車、郵便車、貨物車、車掌、運転士、線路、枕木、切符、駅、待合室、蒸気機関車、新幹線、プラットホーム、踏切、赤いテールランプ、長距離列車、通勤列車、旅、出会い、別れ……。

いま思いつくだけでもざっとこれくらいは出てきます。そんなキーワードを頭に、レコード盤をあれこれ探し回ると、出てくる出てくる、数にするとざっと五十曲は見つかりました。そんなレコードを一つ一つかけながら気づいたことがあります。たいがい歌に出てくるのは〝汽車〟なんですね。今はまず目にしない〝汽車〟、つまり蒸気機関車が結構多いんですね、歌われるのが。これはレコード盤を探したからそうなったということもあります。CDではまた違うかもしれないし、今はやりの曲、ダウンロード・ミュージックでは絶対に〝汽車〟は歌われないよね、って感じです。でこの汽車が歌われるのは日本だけかと思ったら、違うんです。日本以外の楽曲、いわゆる洋楽においても結構〝汽車〟は歌われてますね。そういえば先日見た映画『ターナー』では画家もテーマとして取り上げていました。で〝汽車〟というのは蒸気機関車だけを指すのではないって知ってました?実は、明知鉄道を走る気動車、ディーゼルカーも〝汽車〟って呼ぶんですよ!

今までの話は、楽曲の歌詞やタイトルとして鉄道をテーマのキーワードが使われている例ですが、それ以外にもあります。私の記憶の中では、ビートルズの最初の映画、白黒映画でしたが、その中で歌われた曲が鉄道とリンクしています。初めてその映画をテレビで観たとき、映画館ではなく洋画劇場かなんかのテレビ番組で観たとき、へぇーイギリスの客車ってこんな感じなんだ、と思いました。いわゆるコンパートメント、それも日本のコンパートメントではなくって、ドアをガシャっと開けて入ると向かい合わせに席がある、個室タイプのコンパートメント…。閑話休題

上には挙げていませんが〝修学旅行〟というのも鉄道とリンクしたキーワードといえますね。私などはまさにその世代なんですが、中学校の修学旅行で東京へ行くのに、修学旅行用列車というのを使いました。この地方、その頃私は名古屋の中学校でしたが、では「こまどり号」と呼ばれてました。この流れは今でも新幹線に受け継がれているようですね。当時国鉄今JR。

ということで、今回は〝鉄道〟をテーマにいろいろな楽曲を集めてみました。五十曲ほどで時間にして2時間半ほど…全曲聴くには結構ハードです。
今回の〝賑やかしコンサート〟の開催は8月9日夏休み真っ只中の日曜日です。流れた曲をメモしておけば〝夏休みの自由研究〟にも使えるかも…。

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