〝音斎処〟

I Want A Music Using Rear Laser Audio


ビートルズあれこれ

今年の〝音斎処〟のオープニングは、やっぱりビートルズ‥‥です。しかも、「日本独自編集盤」を特集します。「日本独自編集盤」と云っても中々馴染みが無い事は、2月26日のブログで採り上げていますが、実は「日本独自編集盤」以外にも「日本盤」と云うものが存在する事を説明していませんでした。

1987年にビートルズ・アルバムのCD化にあたり、色々な事がありましたが、その中で一番のトピックは「世界統一規格」が遂に導入されたことでしょう。
私のように、年寄りでアナログ盤時代のビートルズファンには当たり前だったのは、かつて日本では色々な国で販売されていたビートルズの盤が購入可能だった事です。そしてこれらは、各国からの輸入盤ではなく、スリーブ印刷もプレスも日本で行われた日本製なのでした。これらを総称して「日本盤」と云い、その中で英国オリジナル盤とジャケットや収録内容や収録順が異なるものを「日本独自編集盤」と呼んでいた‥‥そんな悠長な時代があったのでした。

下に示したのはその一例です。1970年代に日本でプレスし、日本でスリーブ類を作成し、普通に町のレコード屋で売っていた「アビィ・ロード」、つまりは「日本盤」のジャケット裏面には、曲順の誤りがありました。A面の二曲目と三曲目の曲名が入れ違いになっているのです。こんなことが起きるのは、レコード盤の製作そのものが販売する各国で行われていたからなのです。

【1970年代の日本盤アビィ・ロード】
アビーロードJP

【1988年英国(リイシュー)盤アビィ・ロード】
アビーロードUK

今回、〝音斎処〟での特集の準備として、手元にあるビートルズのレコード盤を整理しながら、ネタ捜しをしているのですが、その成果として幾つかの「発見」がありました。それが下に示したものです。

【1988年のダイレクト・メタル・マスター&デジタル・リマスター】
DDM

【スリーブ印刷及び盤製作ともに英国】
INENGLAND

1995年の10月に購入した「ビートルズ`LPレコード`コレクション」という、当時「フェーマスレコードクラブ」が通信販売した、15タイトル・18枚のボックスセットが手元にあります。
このボックスセットの売りは『英国直輸入』だったのですが、実際のところ余り気にしていませんでした。というか、購入時には「感銘」したのだと思いますが、いつの間にか忘れていました。その証し、つまり謳い文句に誤りがなかったのを示すのが、上の画像にある「Sleeve printed in England」と「Manufactured in England」の文字なのです。そしてこの表示はこのボックスセットに収められた15タイトル全てのジャケットに印刷されているのです。

上に示したもう一つの画像にある「This album has been direct metal mastered from a digitally re-mastered original tape to give the best possible sound quality.」(このアルバムは可能な限り最高の音質を得るため、デジタル・リマスターされたオリジナルテープを用いたダイレクト・メタル・マスターにより作製されています。)は、CD作成時にデジタル・リマスターしたオリジナル音源を用いている事を示しているようです。
ただ、このボックスセットの珍しさはデジタル・リマスターではなく「ダイレクト・メタル・マスター」(通称『
DMM技法』)にあります。

「残念な事に」というか「当然の事に」というか、この技法が使われているのは、このボックスセットに収められた13タイトルのみなのです。で、13タイトルとは英国オリジナル・アルバムに米国編集盤である「マジカル・ミステリー・ツアー」を加えたものです。DMM技法が使われていない2タイトルは「パスト・マスターズ Vol.1&2」と「ライブ・アット・BBC」なので、当然と云えば当然なのですが‥‥。

このボックスセットのもう一つの発見は‥‥デビュー・アルバム「Please Please Me」から四枚目のアルバム「Beatles For Sale」までが『モノーラル盤』な点です。モノーラル盤とステレオ盤の混在、統一感が無いと云えばそれ迄ですが、今となってはこれも面白いわけです。
さてそんなモノーラル盤の中で、一つの疑問も湧いてきました。つまりは『このモノーラル盤、本当にモノーラル盤』疑惑です。そのタイトルは「A Hard Day's Night」です。
私の拙いビートルズ知識によれば、このタイトルのモノーラル盤に収められた「I Should Have Know Better」のイントロで聴こえるハーモニカは息継ぎしないはずなのですが、このボックスセットのモノーラル盤では息継ぎをしています。それ故に『このモノーラル盤、本当にモノーラル盤』疑惑なのですが、真相はまたこれから研究してみたいと思います。