〝音斎処〟

I Want A Music Using Rear Laser Audio


2019年

〝音斎処〟冬眠中

〝音斎処〟2020

2019年の〝音斎処〟

2019〝音斎処〟

どうしても伝えたいBeatlesのこのコード進行

7月の〝音斎処〟では、英国での公式オリジナルアルバム12タイトルから三つを選んで、録音機材の違いのよる音づくりと云う観点から紹介しました。
私の好きなアルバムは、実はその中の二つ、 A Hard Day's Night と Abbey Road なのですが、これらのアルバムに収録されている曲が最も好きだ、というわけではありません。
今回は、私の最も好きな楽曲四曲をその理由とともに紹介したいと思います。

好きな理由を説明するに当たり、五年目の〝音斎処〟で初めて、ギターによるコード進行の解説という、凡そ音楽理論とは縁遠い私が行うというところに、〝音斎処〟の〝音斎処〟らしさがあると思います。

まず今日紹介する四曲を、さわりの部分だけ連続で聴いてもらいます。
紹介順は私の好きな順ということで.....


一曲目:You’ve Got To Hide Your Love Away

二曲目:It’s Only Love

三曲目:And Your Bird Can Sing

四曲目: We can work It Out

You’ve Got To Hide Your Love Away

邦題「悲しみはぶっとばせ」は、高嶋弘之(あの高嶋ちさ子の父親)による命名だそうです。
五作目のアルバム HELP ! 邦題『四人はアイドル』のA面3曲目に収録されている曲です。またこのアルバムは同名映画のサウンドトラック盤でもあります。アルバムの日本発売は1965.9.15 (昭和40年)のことです。

この曲はジョンの作品で、ボブディランに影響された曲と言われていて、ジョンの苦悩の時代の曲で、非常に内面的な詞になっています。

この頃になると四トラック・レコーダーでレコーディングされています。

特徴はドイツ製フラマス・フーテナニーの十二弦ギターで映画でジョン自身が演奏しています。

この曲の影響で高校一年くらいに12弦ギターを購入しました。当時確か八千円だったと記憶しますが、アリアギターで有名な荒井貿易(千種公園近くにある)にて購入しました。ギターとしてはそれほど優れたものではなく、合板製でメーカー名の表示がどこにもついていません。当時としても12弦が八千円で買えると云うのは、かなり破格だったと思います。

この曲のコード進行の面白さと言うのは、
G→Dsus4→Fadd9→C→G C→Fadd9→C(→D)この繰り返し二度目のあと、Dのまま小指でクリシェ
C、Gのコードフォームが通常と異なり1弦G音を小指で押さえたまま
これはコーラス部のDsus4→D→Dsus2→Dのコード進行のための伏線か?
私の感想は、ギターで遊んでて思いついた曲ではないか、と思っています。云ってみれば小指のマジック

It's Only Love

これもアルバム HELP!のB面2曲目に収録された、ジョンの作品です。
wikiによると、この曲をジョン本人は好きでなかったとのことですが‥‥。
この曲ではコードを弾くギターの音は殆ど聴き取れないが、アルペジオ風にギターが弾かれている。

この曲は、イントロで入るメロディーが曲全体のテーマ、モチーフとなっています。
コード進行は、先の曲と殆ど同じ Dsus4→D→Dsus2→Dで(但し、この曲は5カポで)、最期に装飾音としてDaugを加えたもの、小指で押さえる弦の位置が異なるだけ
モチーフの主音の最期の音が半音下がる構成になっている。

単音で弾くと違和感があるが、コード進行の中ではこれが気持ちよい、ちょっとお洒落な音となっている。但し、楽曲ではギターコードとしてハッキリ聴こえるわけではない処も味噌かもしれません。

このDaugの様に「aug(オーギュメント)」が付いたコードと云うのは、余りポップミュージックでは無いコードではないかと思います。ジャズでよく使われるコードのようです。

「悲しみをぶっ飛ばせ」のコード進行『Dsus4→D→Dsus2→D』でこの曲のテーマが弾けてしまうのも面白いところです。
「悲しみをぶっ飛ばせ」とは異なり、ここで使われるGもCも小指なしのコードフォームになっています。


And Your Bird Can Sing

7作目のアルバム Revolver のB面2曲目に収録されています。
このアルバムの日本発売は、 1966.10.5 (昭和41年)です。
アルバムのタイトル 「Revolver」 は、長い間『革命』から来ていると思っていましたが、レコードがらみのRPMの revolution (回転)から来ているというのが本当らしいです。発売当時の解説ではレヴォルバー(拳銃)がらみ説もあったと記憶しますが、今となっては定かではありません。

これはジョンの作品でドラッグ体験説がある楽曲です。

ポールとジョージのエピフォンカジノによるツインリードが曲全体を印象づける作品で、詞を聴かせる部分はオープンコード主体の簡単/単純なコード進行となっています。
GからDへの移行のためか?Gは小指有りのコードフォームが使われています。

この曲のコード進行は、bridge部分がキモだと思います。そのコード進行は F#m→F#m(maj7)→F#m7→B7 で、これはクリシェ(バロック音楽の手法、らららクラシックで解説された)で『同じ和音が長く続く時、構成音の一つを半音・全音づつ変化させて行くこと』、四弦の音が半音ずつ下がって行くのが特徴になっています。

このコード進行をカッコイイと思った最初の曲は実は「夏よおまえは」‥‥1970.6.1 ベッツイ&クリス の曲で、F#m→F#m(maj7)→F#m7→F#m6と言う流れで使われています。
更にこの同じコード進行をやや早めに連続して弾くと、辺見マリの「経験」(1970.5.11)のイントロになるのがオモシロイ‥‥

この楽曲は曲の終わり方がまた良いと思います。ギターコードではG/Dつまり、実際には2弦から4弦までの開放弦を弾く下ろす形です。レコードではギターの4絃相当の音がポールの弾くベースで連続して流れてきます。


We Can Work It Out

邦題は「今日を抱きしめよう」:素直に訳すと「我々はうまくやって行けるさ」? 
今日紹介の中で唯一シングル発売された曲です。但し、CD未発売となっているアルバム「オールディーズ」には収録されています。「オールディーズ」の日本発売は 1966.1.15(昭和41年)です。
ジョンとポールの共作と言われていて、主にポールが作曲したと云われています。

この曲のコード進行は、前三曲の集大成ともいえるもので、 D→Dsus4→D→Dsus4→C→D
 と、いたって簡単なコードで構成されています。C、Gは小指有りのフォーム

bridge部で低音部のクリシェが異なるコード進行で二回繰り返されるのが聴き処で
一回目;Bm→Bm/A→G→F#7sus4→F#7
二回目;Bm→Bm/A→Bm/G→Bm/F#7
単音でシ・ラ・ソ・ファ#のクリシェを使っていて、ここがある意味超カッコいいところだと思います。

後々気づいたのですが、このクリシェ部分の『シ・ラ・ソ・ファ#』を単音でゆっくり弾くと、五輪真弓さんの「恋人よ」のイントロの通奏低音になるようです。

最後のオルガン部分のコードはD→Dsus4の繰り返しのような感じでアクセントがつけられています。

映画イエスタデイ

映画イエスタデイ

昨日(2019/10/16)は久し振りに映画を観に名古屋へ出かけた。
場所は、名古屋・伏見ミリオン座だ。この四月から、御園座近くから、長者町に移転したのだが、移転後初めて訪れるのだ。

名古屋地下鉄伏見駅は、浪人時代に通い慣れた駅だが、もう40年近く前のこと、その当時とは全く異なる駅となっている。当時は利用客の少ないちいさな駅で、地下鉄鶴舞線も開業していなかった。
その頃のわたしの感覚では「伏見駅=繊維街・長者町」だったが、肝心の長者町には全くと云って良いほど行くことはなかった。
「伏見駅=繊維街・長者町」という感覚は、駅構内から通じていた「地下鉄伏見駅商店街」から来るもので、恐らく浪人時代に一度か二度この商店街を通ったことがあるにすぎない。当時から「地下鉄伏見駅商店街」は独特の雰囲気を持つ場所であったが、最近またテレビなどで採り上げられる機会が増え、何となく行きたくなっていた場所だ。

映画「Yesterday」は、今月11日から封切られ、ミッドランドやイオン等でも観られるが、伏見ミリオン座にしたのは新装開店の雰囲気を味わいたかったのと、この「地下鉄伏見駅商店街」を歩いてみたかったからでもある。

映画「Yesterday」については、ネタバレが色々あるのでここでは書けないが、26日開催の〝音斎処〟用にネタの仕入も兼ねていた。

〝音斎処〟191026


残念なことにと云うか、予想通りと云うか、映画「Yesterday」に出てくるビートルズの楽曲に今回〝音斎処〟で紹介する曲は入っていなかった。
この点については、ある意味ホッとしていると言って良いのだが‥‥。

さて「地下鉄伏見駅商店街」の話に戻ると;今回の散策でちょっと素敵な喫茶店の存在を知った。
詳しくは
こちらのサイトに譲るが、マスターが音楽好き・ビートルズ好きとすぐに分かるお店の雰囲気がとても気に入ってしまった。

店に入ってまず気づくのは、JBLのスピーカーが二組、そしてエレキギターが飾られていること。オーディオラックにはアキュファーズのアンプとビートルズのアルバムを含むLPが50枚ほどか。
お許しを得て、LPを見させて頂いた。気になったのは、ディアゴスティーニから2017年に発売されたザ・ビートルズ・LPレコードコレクションの創刊号「アビー・ロード」が封を切らないまま‥‥。ビートルズのアルバムは恐らく全て揃っていそうで、手に取ったのは「オールディーズ」‥‥1976年来日10周年を機にレコード番号を一新して再発された盤‥‥恐らくこのシリーズで全ての盤が揃えられているようだ。
一目見て、殆どかけられていないようで、とても丁寧に扱われている盤なのが判り、新品同様、帯付きの日本盤極上品である。

スピーカー、アンプ、レコードが揃っているのに肝心のプレーヤーが見あたらないので、その点をおたずねしたら「ここにあるんですよ」と秘密の扉(?)をあけて頂けた‥‥ヤマハの高級プレーヤー、恐らく1980年代前半の製品だった。
マスターは、私よりもお若い、まだ50代と言うことでしたが、中学以来のビートル好き、音楽好きで、今もバンド活動をやられていると云う。
入る時には気づかなかった、お店の向かいの壁に設えられたショウウインドウにもビートルズグッズとギターが飾られているのを、マスターの奥様にご説明いただいた。

見ず知らずの、一見の私にも、親切に丁寧にお話しいただき、とても有意義な時間を過ごすことが出来感謝感謝です。

音楽好き、ビートル好き、オーディオ好きの方は、是非一度お立ち寄りされることをお勧めします。

 ※ 「地下鉄伏見駅商店街」については、
こちらのサイトがより詳しく解説されています。

英語の発音について‥‥或いは日本の英語教育について

たいそうなタイトルだが、実は内容はない。
この音源が全てを語っている。

画像は 2019年9月8日付け中日新聞13面教育 より。

中日新聞 (3)

そうだよ、発音に自信持って‥‥こんな間違った発音でもレコード出して、何十年後にもこうして間違った例として使われるけど、彼は自信をもって歌ってるんだよ
誰か教えてやれば良かったのにね〜と今では思う。



中日新聞 (2)

日本人歌手の多くがこの「子音」をキチンと扱えていない。英語ネイティヴは我々には聴き取り得なくてもちゃんと発音しているし、音を出していなくても口の形は「子音」を作っている。
こんなことは一々教えられなくても洋楽を聴き込めば自然と判ってくるし、同じように歌えば判ってくる。

DDPファイルについて

レーザーターンテーブルを使ってデジタイズした音源を用いて市販できるCDを作成するというプロジェクトを、自分の中で勝手に立ち上げて色々調べている。
元々は、ななきさとえ(
@satoenanaki)さんが、ご自身のアナログ盤からCDを作成し流通させたいと考えられた事が、上記プロジェクトの遠因となっている。

〝音斎処〟でアナログ盤のデジタイズをしてアーカイヴ化するとの試みは三年ほど前から行っていて、既に三十枚近くをハイレゾ(192KHz 24bit)でDVDメディアに、MP3ファイルでCDメディアに整理してきている。
これはあくまでも音源データを残すためのであり、市販を意識しているわけではない。従って、JANコードやISRCコード、或いは楽曲データ(例えば、曲名やアーティスト名など)とかアルバムフォトなんかも全く気にしていない、本当に音源だけを収めた物なのだ。しかも、何枚も作るわけではない。〝音斎処〟のアーカイヴ用としては1枚で十分だ。基本的に音源データとしてパーソナルコンピュータでアクセスできれば良いと考えている。

処がどっこい、市販CDはそんなわけに行かないらしい。その理由は色々あるが、私が考えるに最大のものは、どうも大量生産にあるらしい。1枚のCDやDVDを作るのと違い、大量のコピーを一度に効率良く作成するにはキチンとした大本(おおもと)になるもの、つまりマスターが必要なのだ。しかも、そこには市販に堪え得る様々な情報、つまり音源以外の様々な情報が必要となってくる(らしい)。

と、此処まで理解が進むのに1ケ月程が必要だった。そして出会った単語がDDP(Disc Description Protocol)。Wikiには次のような説明がある。

◆◆◆
光学ディスク(CDやDVDを含む)の内容を指定するための形式である。
一般的に、DDPは複製のためにディスクプリマスターを引き渡すために使われる。DDPはプロプライエタリ形式であり、DCAの所有である。ファイル形式は無料入手可能ではない。
DDPには以下の4つのパートを含まなければならない。
1 音楽イメージ( .DATファイル)
2 DDP識別子(DDPID)
3 DDPストリーム記述子(DDPMS)
4 サブコード記述子(PQDESCR)
また、オプションとしてテキストファイルを含めることができる。これはトラックタイトルとタイミングを含むだろう。
◆◆◆

まぁナンテ難しいんだろうっ。この場合「煩雑で、めんどうだ」の意だが‥‥。
大量のCDをプレスするためには、プレス工場にキチンとしたデータを入稿する必要が有り、そのデータの形式がDDPということのようだ。

ここまでたどり着いたので、次にこのDDP形式のファイルを作ることのできるソフトウエア捜しにとりかかった。処がこれがまた一筋縄では行かない。というのも、音楽(楽曲)を販売するメディア/フォーマットとしてのCDは、既に「オワコン」らしい。殊にアメリカ合州国では完全にCDはオワコンであり、配信やサブスクリプションが主流となっている。従って、CD用のDDP作成対応ソフト自体オワコンらしい(ことをつい最近知った)。

ネットでDDP作成対応ソフトを調べていても、ここ二年くらいはアップデートしていないものが多く、特にMac用は極端に数が少ないのだ。もちろん日本語化されたソフトも少ないようで、色々と探し回ってもなかなかよさそうなのに行き当たらない。

ということで、非常に中途半端になってしまったが、もう少し勉強が進んだらまた報告したいと思います。

※此処までの探索で出会った参考になるサイトへのリンクを下記にまとめておきます。



レーザーターンテーブルについて

レーザーターンテーブルの話題が大抵「価格が高い」で終わってしまうのが残念だ。
個人が良い音質でレコード再生する「だけ」なら、確かに大きな出費だ。
しかし、レーザーターンテーブルはこの先何年待っても「安価」にはならない。逆に将来存在しなくなる可能性すらある「絶滅危惧種」なのだ。

購入価格が「高い」だけではない。メンテナンスにもそれなりに出費が必要である。
レーザーターンテーブルをアナログ盤再生装置の一つとして理解するよりも、高級外車と考えた方がより真相に近い。使わなければ能力を発揮できないが、使えば当然劣化する部分も出てくる。初期性能を維持するには保守費用が発生する。

レーザーターンテーブルの特徴のひとつは「無接触」であること。針や盤が消耗したり損傷したりしない。
今一つは「高出力」であること。フォノダイレクト仕様であれば400mVで出力可能である。
この二つの特徴により、レーザーターンテーブルは単なるアナログ盤再生装置を超えて、新な用途が拡がっている。
・新規アナログ盤の検盤
・絶版アナログ盤の復活
・絶版アナログ盤からのCD作成、ハイレゾ音源作成
・高出力であるため、デジタル処理時S/N比が高い
・フォノダイレクトによりイコライザー特性をRIAA以外にも容易に変更可能
・カートリッジがメーカーや品番により音に個性を持たせているのと違い、レーザーターンテーブルの音は唯一無二であり、盤同士の比較や他のオーディオ装置同士の比較の為の基準原器となり得る。

>>あと、一般には殆ど知られていないが、レーザーターンテーブルは振動と横Gにめっぽう強い。これは明知鉄道の気動車(ジーゼル列車)内でレコードコンサートをした経験によるもの。日本一の急勾配をフルスロットルで駆け上がる車中でも、Rのきつい部分での遠心力でも音跳びを起こさない、音溝のトレースを外さない。この音溝追随性は針振動で音を拾うカートリッジ式のターンテーブルとは比較にならない信頼性である。<<

こんな感じで並べてみると、個人の用途よりは、ミュージシャンや音源制作現場の方々、所謂「業界人」にもっと使って欲しい製品である。

〝音斎処〟ではレーザーターンテーブルを使用することが多いけど、カートリッジタイプのターンテーブルを使わないわけではない。
〝音斎処〟の基本的考え方に「レコードが収められた演奏の音量と同等の音量で聴くことが基本」と言うのが有り(かなり私個人の思い込み)、通常個人が家で聴く時の音量とは比べ物にならない音量で聴くことにしている。とは言え、ピークで方チャンネル30ワット出てれば良いところなんだけど‥‥。そんな音量でカートリッジタイプのターンテーブルを使うためには防振対策が大変だ。〝音斎処〟には1トン近くある鉄製のDJテーブルがあるから安心だけど、普通の家庭ではそこまで備えられない。実際自宅で、ピークで10ワットを超えるくらいでカートリッジタイプのターンテーブルを鳴らすと、結構シンドイ。だがレーザーターンテーブルだと安心なのだ。

#恵那市岩村町安田邸 #いわむら五っこ

12インチコレクション 追加分

6月13日にいただいた分の12吋盤のリストがやっと整理できました。
こちらでどうぞ!

ノイズ除去の威力

ノイズ除去(ノイズリダクション)がどれ程の効果をもたらすかを、シェラック盤により比較してみました。
音源は1955年発売の「田舎のバス」(中村メイコ)です。後にヴァイナルとして再発もされているようですが、こちらはオリジナルのシェラック盤78回転です。
ノイズ除去前の音源は 24ビット 192kHz のAIFF、ノイズ除去後は 16ビット 44.1kHz のWAVで、いわゆるCD品質です。

田舎のバス(ノイズ除去 前)

田舎のバス(ノイズ除去 後)

五十年前の自分の声を聞く

五十年前の自分の声を聞くと云うのは、歌手でレコードを残してでもいないと中々経験できないと思う。
終活の一環で、ボチボチではあるが身辺整理をしている中で、父親の残した膨大なオーディオテープの中から、やっと見つけたのがこのテープだ。
丁度中学三年の15歳の頃の自分の声‥‥今聞き直すと父親の声とよく似ていることに愕然としている。

それにしても、レコード盤と云い民生用の磁気テープ(オープンテープ)と云い、結構長持ちするもんだと今更ながら驚いている。
決して保管状態が良かったわけではなく、埃に塗れて忘れ去られていたわりに、再生音はキチンとしている。問題なのはテープそのものより再生装置だ。

レコード盤を手放す理由の最大のものは、再生装置が無いと言うのだが、磁気テープも同様、ひょっとすると現在ではCDもそうかも知れない。
幸い再生装置も残っていたので、こうしてデジタイズが可能だったのだが、再生状態は必ずしも満足の行くものではない。

〝音斎処〟は今レコード盤の修復と再生で手いっぱいだが、こうした磁気テープの修復や再生披露などもできればいいなと考えている。

磁気テープ

フォノシートの実力

フォノシート(或いはソノシート)の実力と
中山千夏さんの歌唱力の凄さ


ひょっこりひょうたん島 1960年代の小学生向け学習雑誌の付録と思われるフォノシートより。

 
ひょっこりひょうたん島1

 
ひょっこりひょうたん島2

現役当時は、雑誌のオマケ的にしか扱われていなかったフォノシートやソノシートですが、丁寧にノイズ除去を施してやれば、いまのCDとは比べ物にならない生々しい音が入っています。
しかも今となっては聴けないような歴史的価値のある音源も、ひょっとして収録されているかも知れません。
この音源の「ひょっこりひょうたん島」もそうした中の一つと思えます。なんせ、見ていた当時は余り感じなかったけど、これは超長篇ミュージカルだったんだって、このシートを聴いていても分かります。

この音源は、フォノシートをデンオンのDP-5000F+DL-103で再生し、(株)エルプの【eLPE-1】と【eLPE-プラス】を通してデジタイズしたものを、Mac用のノイズ除去ソフトで処理したものです。
CDと同じ「16bit 44.1kHz」のWAVファイルになっています。

フォノシートは侮れない

最近学習中のノイズ除去ですが、その過程でフォノシートとかソノシートと呼ばれるレコード盤の凄い実力を知ることとなった。
あんなに薄いヴィニール製のペラペラした物ですが、そこに刻み込まれた音と云うのは、想像以上に凄いものだ。

江利チエミ

〝音斎処〟への寄贈レコード 7インチ盤リスト

6月に〝音斎処〟への寄贈のあったレコードのうち7インチ盤のリストが出来上がりました。
こちらでご覧ください。

〝音斎処〟への寄贈レコード 7インチ盤リスト

〝音斎処〟への寄贈レコード 7インチ盤リスト

〝音斎処〟への寄贈レコード 12インチ盤リスト

〝音斎処〟への寄贈レコード 12インチ盤リスト

シェラック盤と文句カード

シェラック盤と文句カード‥‥と言われても理解できなかも知れない。

シェラック盤とは、日本で「SP盤」と呼び習わされているレコード盤のこと。海外では「78(SEVENTY-EIGHT)」とも呼ばれているらしい。で、何故「シェラック盤」なのかだが‥‥SP盤のSPとは「Standard Playing」を表すレトロニムであり、日本の敗戦後に登場したLP盤に対する語として使われ始めた。LP即ち「Long Playing」である。また海外での「78s」は毎分78回転することによる。で、私が思うのは、このどちらの用語も「帯に短したすきに長し」なのだ。

LP盤登場前にはSP盤とは呼ばれていなかったし、回転数は必ずしも毎分78回転だけではない。そこで、原料と云うか製造方法と云うか、に目をつけて、現在一般的に「レコード盤」と呼ばれている、所謂「アナログ盤」とか「ヴァイナル・レコード」との区別をしてみた。とは言え、この用語法は必ずしもわたし独自のものではない。ネット上には既にこの用語例も存在する。
私がこのシェラック盤という語にこだわるのは、自身のレコードに持つイメージが『割れるレコードと割れないレコードの二つ』に由来する。わたしの子供の頃(昭和30年代)は、レコード盤は割れるものだった。小学校の高学年(昭和40年代初頭)になって、放送部でレコード盤を扱うようになって気づいたのが、レコード盤は割れなくなったことだ。そんな理由で、割れるレコード盤の時代=シェラック盤、割れないレコードの時代=ヴァイナル盤、と区分することにした。ここで云う「割れる」「割れない」は、盤を落としてもと言う意味である。

文句カードとは、今で云えば「歌詞カード」のことだ。今年の春までは、この文句カードの存在を知らなかった。と言うのも、今まで手にしたシェラック盤には、一つとしてこの文句カードが付属していなかったからだ。この春、親戚から貰ったシェラック盤には、多数の文句カードが綴られた手帖様のものが含まれていた。
勿論、初見だった為、すぐにはその用途が理解できなかったが、色々調べてみてやっと「文句カード」との語に行き着いた。そして、文句カードとは歌詞カードのことだと判明したわけだ。

此れがまた面白いのである。歴史が詰まっているのである。内容も面白いのだ。日本文化の底流のようなものが読み取れる気がする。そんなわけで、追い追い紹介して行きたいと考えているわけだ。

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テイチク 五郎とその母 1540 1

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五月の〝音斎処〟

〝音斎処〟190525



さて月もあらたまり、騒がしい世間とは裏腹に、静かな田舎で時が過ぎゆくのを感じているワタクシですが、今五月の〝音斎処〟のお知らせです。
今月は久し振りにクイーンの特集です。一昨年に採り上げたテーマですが、昨年来のクイーン・ブームに再刺激を受け、今回もテーマとして採り上げてみました。
どれがかかるか判らない‥‥でもこれだけは外せない。皆そう思っているはずです。


クイーン オペラザの夜

クイーン (1)クイーン (4)クイーン (5)クイーン (6)クイーン (7)クイーン (12)クイーン (13)クイーン (14)クイーン (16)

なんか世間は騒がしい‥‥

LogoTate

〝音斎処〟チラシ英語

新規コレクションリスト

今春〝音斎処〟のコレクションに加わった盤のリストです。


〝音斎処〟チラシ

四月の〝音斎処〟

〝音斎処〟190427

こんなのやっています

「いわむら五っこ」でこんなプログラムをやっています。
興味の或る方はご一覧下さい。

http://iwamura55.com/experience/レコード盤を洗ってみよう

〝音斎処〟冬眠明け

2019年冬眠明けの〝音斎処〟は無事終了しました。
23日当日は、常連さんである〝音斎人〟の皆さん同士で「本年も宜しく」との新年の挨拶も飛び交うほど和やかな雰囲気で、お互いの健康と〝音斎処〟で会える喜びを満喫されているようでした。

当日は、岩村に通い慣れている方でも予想できないくらいの寒さで、当地に住まわれる方でも『今日は寒い』と太鼓判を押される中、いつもより多めの休憩を挟みながら約2時間半ほど‥‥その後の懇親会(?)も含めると4時間程の楽しい時間でした。

主催者を入れると20名ほどで、ワイワイガヤガヤの立ち話は、話題も豊富で、音楽の話からオーディオの話、食べるものの話から映画「ボヘピアン・ラプソディ」の話題まで、尽きる事がありませんでした。
豊田市や名古屋市など遠路遥々やって来てくださる方も多く、ここにきて音楽を聴きワイワイ喋るのが楽しみと言ってくださるのが、一番の幸せです。

翌24日(日)は、岩村の恒例になった「いわむら城下音楽祭」として〝音斎処〟も開催‥‥23,24両日とも来てくださる常連さんも!!うれしい限りです。
両日合わせると延べ40人近い方々にレコード音楽を楽しんでいただきました。

次回開催は、4月27日(土)です。今上最大の行事を控えての、超長期連休の始まる日!!さて岩村の賑わいはどんなものになるでしょう、楽しみです。

ビートルズ、レコード番号「EAS」の時代

節操が無い、と言ってしまえばそれまでだ。返す言葉もない。とは言え「まだ東芝も健全だった」と思えば、清志郎さんも笑ってくれるだろうか‥‥。とにかく、この時代はナンでも有りの混沌だったのだ。

1976年と云えば、そう『ビートルズ来日10周年』

ビートルズ ハード・デイズ・ナイト日本盤1

と言う事で、それまで、日本独自のジャケット・デザインで売られていたアルバムを、英国オリジナル・タイトルのジャケット・デザインに差し替えて、レコード番号も、それまでの「OR」「OP」や「AR」「AP」にかわり「EAS」で始まる番号を振って、装いも新たにビートルズのレコード盤が売り出された。当初28タイトルだったものが、私が確認できる限りでは、34タイトルまで増やされていた。しかも、その分類方法が凄い‥‥「英国 オリジナル」・「アメリカ オリジナル」・「日本 オリジナル」、さらに「オランダ オリジナル」に「西ドイツ オリジナル」と来たもんだ。どうせなら「フランス オリジナル」や「ブラジル オリジナル」なんかも欲しかったナ〜

レアリティーズ

因に、レコード番号の「O(オー)」は「Odeon(オデオン)」を表し、「A(エイ)」は「Apple(アップル)」を表している。また「R(アール)」は「モノーラル」を「P(ピー)」は「ステレオ」を表している。更に蛇足を付け加えれば、「AP」「AR」は1968年のアップル・レコード設立以降に日本国内で販売されたレコード盤に付されている。

小坂明子さんの『ビートルズをおぼえていますか』と言う曲がリリースされたのが昭和50(1975)年、クイーンの黄金期が丁度この頃であり、巷にはポスト・ビートルズ時代のグループ、アーティストが溢れていた。そう、ビートルズは解散し、ソロ・アーティストで活躍し或いは新たなグループとして活動し始めており、まだまだ「神話」にはなっていなかった。ビートルズですら「おぼえてますか?」と唄われる時代だったのだ。

ただ、解散したとは云えビートルズは「売れる」素材であったのは事実であり、日本の販社である東芝EMIは「来日10周年」企画で新たな需要を生み出そうとしていた。今思えば、アップル自体も、その後に爆発するビートルズ・ビジネスの可能性には、まだまだ気づいていなかったようだ。

そんな時代の混沌を視覚的に見てみよう!!

ビートルズ
ビートルズ (4)
ビートルズ (6)
ビートルズ (2)


ビートルズ (5)
ビートルズ (1)
ビートルズ (7)
ビートルズ (3)

ビートルズあれこれ

今年の〝音斎処〟のオープニングは、やっぱりビートルズ‥‥です。しかも、「日本独自編集盤」を特集します。「日本独自編集盤」と云っても中々馴染みが無い事は、2月26日のブログで採り上げていますが、実は「日本独自編集盤」以外にも「日本盤」と云うものが存在する事を説明していませんでした。

1987年にビートルズ・アルバムのCD化にあたり、色々な事がありましたが、その中で一番のトピックは「世界統一規格」が遂に導入されたことでしょう。
私のように、年寄りでアナログ盤時代のビートルズファンには当たり前だったのは、かつて日本では色々な国で販売されていたビートルズの盤が購入可能だった事です。そしてこれらは、各国からの輸入盤ではなく、スリーブ印刷もプレスも日本で行われた日本製なのでした。これらを総称して「日本盤」と云い、その中で英国オリジナル盤とジャケットや収録内容や収録順が異なるものを「日本独自編集盤」と呼んでいた‥‥そんな悠長な時代があったのでした。

下に示したのはその一例です。1970年代に日本でプレスし、日本でスリーブ類を作成し、普通に町のレコード屋で売っていた「アビィ・ロード」、つまりは「日本盤」のジャケット裏面には、曲順の誤りがありました。A面の二曲目と三曲目の曲名が入れ違いになっているのです。こんなことが起きるのは、レコード盤の製作そのものが販売する各国で行われていたからなのです。

【1970年代の日本盤アビィ・ロード】
アビーロードJP

【1988年英国(リイシュー)盤アビィ・ロード】
アビーロードUK

今回、〝音斎処〟での特集の準備として、手元にあるビートルズのレコード盤を整理しながら、ネタ捜しをしているのですが、その成果として幾つかの「発見」がありました。それが下に示したものです。

【1988年のダイレクト・メタル・マスター&デジタル・リマスター】
DDM

【スリーブ印刷及び盤製作ともに英国】
INENGLAND

1995年の10月に購入した「ビートルズ`LPレコード`コレクション」という、当時「フェーマスレコードクラブ」が通信販売した、15タイトル・18枚のボックスセットが手元にあります。
このボックスセットの売りは『英国直輸入』だったのですが、実際のところ余り気にしていませんでした。というか、購入時には「感銘」したのだと思いますが、いつの間にか忘れていました。その証し、つまり謳い文句に誤りがなかったのを示すのが、上の画像にある「Sleeve printed in England」と「Manufactured in England」の文字なのです。そしてこの表示はこのボックスセットに収められた15タイトル全てのジャケットに印刷されているのです。

上に示したもう一つの画像にある「This album has been direct metal mastered from a digitally re-mastered original tape to give the best possible sound quality.」(このアルバムは可能な限り最高の音質を得るため、デジタル・リマスターされたオリジナルテープを用いたダイレクト・メタル・マスターにより作製されています。)は、CD作成時にデジタル・リマスターしたオリジナル音源を用いている事を示しているようです。
ただ、このボックスセットの珍しさはデジタル・リマスターではなく「ダイレクト・メタル・マスター」(通称『
DMM技法』)にあります。

「残念な事に」というか「当然の事に」というか、この技法が使われているのは、このボックスセットに収められた13タイトルのみなのです。で、13タイトルとは英国オリジナル・アルバムに米国編集盤である「マジカル・ミステリー・ツアー」を加えたものです。DMM技法が使われていない2タイトルは「パスト・マスターズ Vol.1&2」と「ライブ・アット・BBC」なので、当然と云えば当然なのですが‥‥。

このボックスセットのもう一つの発見は‥‥デビュー・アルバム「Please Please Me」から四枚目のアルバム「Beatles For Sale」までが『モノーラル盤』な点です。モノーラル盤とステレオ盤の混在、統一感が無いと云えばそれ迄ですが、今となってはこれも面白いわけです。
さてそんなモノーラル盤の中で、一つの疑問も湧いてきました。つまりは『このモノーラル盤、本当にモノーラル盤』疑惑です。そのタイトルは「A Hard Day's Night」です。
私の拙いビートルズ知識によれば、このタイトルのモノーラル盤に収められた「I Should Have Know Better」のイントロで聴こえるハーモニカは息継ぎしないはずなのですが、このボックスセットのモノーラル盤では息継ぎをしています。それ故に『このモノーラル盤、本当にモノーラル盤』疑惑なのですが、真相はまたこれから研究してみたいと思います。

ふくろうまつり
3月10日

今年の〝音斎処〟活動開始は3月10日(日)の「ふくろうまつり」でした。

やや曇り空から始まり、時々陽射しのある空は、午後から曇って風が出てきて、ついに雨が降り出す、という生憎の天気でしたが、岩村を訪れる観光客も結構な数でした。

昨年五月の連休時「原宿並の観光客」に比べれば、なんだか寂しい感じですが、ロケ地となる前の岩村の三月に比べれば、ウンと賑わっていたのは確実です。

さて、本番の〝音斎処〟は3月23日(土)ですが、昨年に引き続き「ふくろうまつり」に〝音斎処〟も協力してきました。昨年は「半分、古い!」がテーマでしたが、今年は「色即是空」ならぬ「
古即是新」をテーマとしています。

殆どの方は気づいていないのですが(当たり前か)、今年は機材も一新し、しかもターンテーブルなしでの参加でした。流した楽曲の音源はアナログ盤をデジタイズしたもの。しかも、楡野鈴芽誕生前の昭和の楽曲が中心です。云ってみれば鈴芽の親世代が馴染んでいた楽曲です。

これらの楽曲は1960年代のアナログ盤を最新システムでハイレゾ化し、最新フォーマットであるDSD5.6をネイティブで再生しておりました。つまりは、「
」=「アナログ盤」がそのまま直ぐ(即是)に「」=ハイレゾと相成ったわけです。まぁそんな楽しみ方は私の超個人的な趣味なんですが‥‥。

とは言え、今回のこのシステム、結構思わぬ方々が食いついてくれました。その結果、また幾つか勉強になる事がありました。その成果は今後の〝音斎処〟に活かしたいと思います。

20190310ふくろうまつり

処で、今回もう一つ気づいた事があります。それは「昭和」の捉え方です。

ご存知のように「昭和」という時代は60年以上続いたものです。それ故同じ「昭和」を用いても、同じ「昭和歌謡」と称しても、年齢により大きな幅があるということです。

私自身は「昭和」を大きく三つにわけて考えています。それは「昭和が始まってから敗戦までの20年間」、それに続く「敗戦直後から大阪万博までの25年間」、そして「鈴芽誕生後昭和が終わるまでの20年間」といった感じです。この区分は、日本での音楽産業の立ち位置と、音楽の流通メディアの変遷を考慮したものです。
単純に云えば、戦前は「流行歌」、戦後は「歌謡曲」、万博以降は「ポップス」と云う事です(メッチャ荒い!)。メディアで云うと、『「落とすと割れるレコード盤」+「一部ラジオ」の時代』、『「落としても割れないレコード盤」+「ラジオ、後テレビも」の時代』、そして『「CDを筆頭とする楽曲のデータ化」+「楽曲と映像がリンクしたテープやディスク」の時代』といった感じです。

そんなわけで、私に「昭和の音楽」を、と言われれば、当然、迷う事なく『「落としても割れないレコード盤」+「ラジオ、後テレビも」の時代』の「歌謡曲」をかける事になるわけです。その辺り、多分聴いている人達とのギャップはかなりあるのかな‥‥等と思ったりするのです。

<蛇足>
昨日、或る方と話をしてて「いしだあゆみ」を良くわからないと云われ、ウィキで写真を示して「アっ知ってる」と言う事になって、「歌手だったんですよ」と云うと、また驚かれた‥‥のでした。

春は岩村が楽しい!!

3月10日(日)


3月17日(日)


3月23日(土)


3月24日(日)



岩村にお越しの節は是非お立ち寄りください。

ビートルズの「日本独自編集盤」‥‥続き

3月23日(土)の〝音斎処〟『ビートルズの「日本独自編集盤」』で採り上げる予定の二枚のアルバムについて、英国オリジナル盤との比較をちょっと‥‥。

下に掲げている表は、日本編集盤と英国オリジナル盤の曲順の違いを記したものです。

「Please Please Me」は勿論ビートルズのデビュー・アルバムですが、日本で「ステレオ!これがビートルズ Vol.1」として、また「With The Beatles」はセカンド・アルバムで、日本では「ステレオ!これがビートルズ Vol.2」として、1966(昭和41)年に『来日記念盤』と銘打って発売されています。そうですこの年の6月終わりにビートルズは日本にやって来たわけです。

実はこの二つのアルバムが発売されるまでは、日本ではデビュー・アルバムもセカンド・アルバムも(輸入盤を除いては)発売されていませんでした。
ではそれまで日本ではビートルズのアルバムは発売されていなかったのか、と云うとそうではありません。「ビートルズ!」「ビートルズ No.2!」「ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!」「ビートルズ '65」「ビートルズ No.5!」の五枚のアルバムが発売されていました。

では何故『来日記念盤』という形でこの二枚のアルバムが発売されたのか‥‥ちょっと不思議ではありませんか?
この辺りは〝音斎処〟でお話したいと思いますが、ヒントはこの『来日記念盤』の邦題の中にあります。そう『ステレオ!これがビートルズ』にです。

さて本題ですが‥‥
下の比較表で解る通り、日本独自編集盤と英国オリジナル盤ともに曲数・両面の構成曲名に違いはありません。異なるのは、曲順だけです。
私などは、日本独自編集盤(当時はそのこと自体知らなかったのですが)で聴き慣れていますから、後々オリジナル盤を聴いた時に違和感を感じました。え?この曲から始まるの‥‥この曲の次は、えぇ、違うじゃん‥‥てな具合にです。比較表で「◎」を付けた曲は、オリジナル盤と同一箇所にある曲です。それ以外は全てオリジナルの曲順位置と異なるものです。いまとなってはオリジナル盤の曲順がシックリくると云うかこれじゃなければ、と思うのですが、日本独自編集盤と知らずに聴いていた時には、それが私のビートルズのアルバムの全てだった事は否めません。

例えば「Please Please Me」で云えば、このアルバムの最後はやはり「ツイスト・アンド・シャウト」じゃなければならないのです。そして、一曲目は「Please Please Me」であってはならないのです。
「With The Beatles」で云えば、「Roll Over Beethoven」で始まったら「Money」で終わらなければならないのです。
これはつまり‥‥アルバムに意味を持たせたり、意思を注ぎ込んだ初めてのアーティストがビートルズだったと云う事によります。

とは言え、いまはビートルズのアルバム(CD、アナログ問わず)は全て英国オリジナルに統一されてしまったので、ビートルズ音楽史的な観点から日本独自編集盤を聴く意味があると考えています。

PleasePleaseMe比較

With The Beatles比較

ビートルズの「日本独自編集盤」とは

ビートルズの「日本独自編集盤」との表現は、若い世代には恐らく理解できない事と思います。そこで少しだけ解説めいた事を‥‥。

ビートルズの楽曲がCDとして発売されるまでは、ヴァイナル・レコード盤として発売されていました。基本的に、ビートルズの楽曲のオリジナル・リリースはヴァイナル・レコード(アナログ盤)でした。
アナログ盤の時代には、ビートルズのレコードと云えども、発売される国で発売権を持つレコード会社が自国の仕様に合わせて編集していました。所謂「各国盤」といわれるものです。
日本では東芝音楽工業(後に東芝EMI;現在はユニバーサルなんちゃら)がその権利を持っていたので、日本国内で発売するレコードの全てを取り仕切っていた訳です。

勿論この事情はアメリカ合州国でも同様で、アメリカ合州国では初期はヴィージェーというマイナーのレコード会社が、後にキャピトルというメジャーレコード会社が、ビートルズのレコードを販売していました。なので、英国で発表されたオリジナルの盤とは異なる内容で売られていたのです。基本的にアメリカ合州国盤はオリジナル盤よりも曲数が少なかったのです。

日本にビートルズの楽曲が紹介されたのは、アメリカ合州国経由です。これは敗戦国・日本の当然の成り行きで、私が生まれ育った頃の日本(今でもそ