〝音斎処〟

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ビートルズの「日本独自編集盤」‥‥続き

3月23日(土)の〝音斎処〟『ビートルズの「日本独自編集盤」』で採り上げる予定の二枚のアルバムについて、英国オリジナル盤との比較をちょっと‥‥。

下に掲げている表は、日本編集盤と英国オリジナル盤の曲順の違いを記したものです。

「Please Please Me」は勿論ビートルズのデビュー・アルバムですが、日本で「ステレオ!これがビートルズ Vol.1」として、また「With The Beatles」はセカンド・アルバムで、日本では「ステレオ!これがビートルズ Vol.2」として、1966(昭和41)年に『来日記念盤』と銘打って発売されています。そうですこの年の6月終わりにビートルズは日本にやって来たわけです。

実はこの二つのアルバムが発売されるまでは、日本ではデビュー・アルバムもセカンド・アルバムも(輸入盤を除いては)発売されていませんでした。
ではそれまで日本ではビートルズのアルバムは発売されていなかったのか、と云うとそうではありません。「ビートルズ!」「ビートルズ No.2!」「ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!」「ビートルズ '65」「ビートルズ No.5!」の五枚のアルバムが発売されていました。

では何故『来日記念盤』という形でこの二枚のアルバムが発売されたのか‥‥ちょっと不思議ではありませんか?
この辺りは〝音斎処〟でお話したいと思いますが、ヒントはこの『来日記念盤』の邦題の中にあります。そう『ステレオ!これがビートルズ』にです。

さて本題ですが‥‥
下の比較表で解る通り、日本独自編集盤と英国オリジナル盤ともに曲数・両面の構成曲名に違いはありません。異なるのは、曲順だけです。
私などは、日本独自編集盤(当時はそのこと自体知らなかったのですが)で聴き慣れていますから、後々オリジナル盤を聴いた時に違和感を感じました。え?この曲から始まるの‥‥この曲の次は、えぇ、違うじゃん‥‥てな具合にです。比較表で「◎」を付けた曲は、オリジナル盤と同一箇所にある曲です。それ以外は全てオリジナルの曲順位置と異なるものです。いまとなってはオリジナル盤の曲順がシックリくると云うかこれじゃなければ、と思うのですが、日本独自編集盤と知らずに聴いていた時には、それが私のビートルズのアルバムの全てだった事は否めません。

例えば「Please Please Me」で云えば、このアルバムの最後はやはり「ツイスト・アンド・シャウト」じゃなければならないのです。そして、一曲目は「Please Please Me」であってはならないのです。
「With The Beatles」で云えば、「Roll Over Beethoven」で始まったら「Money」で終わらなければならないのです。
これはつまり‥‥アルバムに意味を持たせたり、意思を注ぎ込んだ初めてのアーティストがビートルズだったと云う事によります。

とは言え、いまはビートルズのアルバム(CD、アナログ問わず)は全て英国オリジナルに統一されてしまったので、ビートルズ音楽史的な観点から日本独自編集盤を聴く意味があると考えています。

PleasePleaseMe比較

With The Beatles比較
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