〝音斎処〟

I Want A Music Using Rear Laser Audio

最近の関心事

レーザーターンテーブル(以降、LT)のフォノ出力のラインレベル化とフォノEQ未通過の音、というのが最近の私のもっぱらの関心事である。
とは言え、フォノEQ未通過の音は、いま里帰りしているLTが帰ってきて、実際に聴いてみないと何とも言えないことなのだ。

そこでLTのフォノ出力ラインレベル化について少し‥‥。

レコードプレーヤー(再生装置)であるLTは、当たり前のことだが、一般的な針を使ったそれと同様、レコード盤の音溝をトレースして、そこに刻まれた音の波形を再生している。針の場合は実際に針が音溝に触れてトレースしているのに対し、LTはレーザー光によってその音溝をトレースしている。トレースよりもスキャンの方が当たっている。

針は音溝に接触して、刻まれた波形に従って振動し、その振動が電気信号に変えられ、増幅されて我々の耳に届く。LTでは、レーザー光を盤面に照射し、反射光によって音溝の波形を電気信号に変換している。この二者には二つの重大な違いがある。
一つは接触しているか否か、今一つは発電している場所である。

発電と書いたのは意味のあることで、物理的な波形を電気信号に変えるには、波形をトレースする針の振動を電気信号に変換する必要がある。この変換がまさに発電なのである。これは「電磁誘導」と呼ばれ『フレミング右手の法則』で説明される。

レコード盤が発明された当初は、単純に針で得られた震動音を、大きなラッパ型のスピーカーで聴いていた。この原理は「糸電話」と全く同じである。
処がこの方式ではきこえる音量に限界がある。より大きな音を得るためには、より大きなスピーカーが必要となるが、そこには自ずと限界と制約があるわけだ。そこで考え出されたのが発電方式である。

振動を電気に換えて、その電気を増幅すればより大きな音が得られるのでは、と考えたのだろう。その発電の役割を担っているのが、一般的なレコードプレーヤーに付き物のカートリッジである。
カートリッジとは、振動体である針と発電体である磁石とコイルとが一体化された箱のようなものだ。カートリッジの基本的な構造は、発電機やマイクロフォンと同じである。つまり磁石とコイルを使って電気を作る、つまり発電するのだ。

この方式の欠点は、以前よりも大きな音量を得られる様になったものの、発電で得られる電気は微量であるため、その電気を大きくする、つまり『増幅』をしてやらなければ鳴ら(成ら)ない点だ。
カートリッジがどれ位の電気を発生させられるかというと、例えばアキュファーズのAC-5で0.24mV(1KHz 5cm/sec)とかなり微弱なものだ。デノンのDL-103で0.25mV、同じくDL-110で1.6mVである。普通のオーディオ機器(CD再生装置など)のライン出力が0.5Vから1V位の間なので、高出力型と呼ばれるカートリッジでもかなり微弱な電気しか得られないのだ。つまり、レコード盤に接触しながら、レコード盤に最も近い場所で発電しているカートリッジで得られる電気には、自ずと限界があるといえる。

他方LTでは、まずレコード盤と物理的に接触して発電をしていない。光の反射により発電をし、しかもその発電はレコード盤から離れたところで行われている。(光をどのように電気に換えているのかは、私では理解できないので、ここでは説明しないが‥‥。)その結果、カートリッジで得られる電気よりもはるかに大きな電気を得られるようなのだ。
実際LTのフォノ出力は「大本(おおもと)」では、ラインレベルの電気を得ているという。(これには、どうも鏡が関係しているように思うのだが‥‥。)

ところが製品としてのLTのフォノ出力は、カタログ上では3.2mV(1KHz 5cm/sec)である。先のDL-110の倍の出力がある。しかし、これはフォノ出力としては高い方であるが、ライン出力に比べるとケタ違いに低いのだ。なぜなんだろう。という疑問は残るが、それは後回しにする。

ここで、どうしてフォノ出力のレベルが問題になるのかを説明したい。どのような理由からフォノ出力で大きなレベルを得たいのか、である。簡単に言ってしまえば、小さなものを大きくする時には、必ずといっていいほど、歪みが生ずるからである。つまりよい音が得られないからである。

電気信号を大きくすることを増幅というのだが、この増幅は歪みとの戦いでもある。増幅は英語では「amplification」、動詞なら「amplify」で、オーディオ用語で必ず表れる「アンプ」はここから来ている。さらにオーディオの世界では、この「アンプ」は『金のかかるもの』の代名詞といっても過言ではない。なぜ金ががかかるかといえば、先に述べた「歪みとの戦い」には膨大な戦費が必要となるからだ。(湾岸戦争か?)
逆に考えれば、歪みを小さくするには、増幅回路が短ければよい‥‥結局当たり前のところに戻ってきた感がある。

〜 続く 〜

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