〝音斎処〟

I Want A Music Using Rear Laser Audio

June 2016

〝音斎処〟最新情報

第四回の〝音斎処〟『昭和の歌謡曲』は無事終了しました。当日は天気が芳しくなかった事もあり、大幅な集客増はできませんでしたが、常連さんを中心に10名ほど、スタッフを入れると14人ほどで音楽鑑賞を楽しみました。
〝音斎処〟は無料開放、出入り自由で行っています。運営費の足しにと、紙コップを100円で購入していただきコーヒーを飲んでいただいているのですが、常連となられた皆様は、もう入ってくるとすぐに100円を用意されているといった感じで、嬉しい限りです。

〝音斎処〟の開催場所は、恵那市岩村町にある今は使われていない古い民家です。
下の写真がその外観です。
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中は、生活に必要な家具類や畳などが取り払われた、がら〜んとした空間ですが、なぜかとても良い音を響かせてくれます。
そんな空間に、以前家主の方が仕事で使われていた大きくて重い重機が二台おかれていて、そのうちの一台がDJ用に機材を載せるのにぴったりの物で重宝しています。


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会場の全体はこんな感じです。

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〝音斎処〟では、毎回テーマを決めて音楽を楽しむのですが、基本的にはレコード盤に刻まれた音楽(ジャンルは色々)を楽しんでいます。
ただ、それだけではなく、使用する機材(オーディオ機器)や最近のオーディオ技術の紹介もそれとなく行っています。
今回は、そんな中で『ハイレゾ』といわれる最新技術を採り上げてみました。
詳しくはネットでお調べいただくとして、かんたんに『ハイレゾ』を説明すると、CDの音質を越えた音質で記録されたデジタル音源、或いはそれを作り出すデジタル装置・技術のことです。
今回はそんなハイレゾと呼ばれる技術の中で『DSD』と『PCM』を採り上げてみました。

それともう一つは、古いアンプとスピーカーでハイレゾを聴くとどんな音になるんだろうという隠れたテーマもありました。
結論から言えば、結構良いじゃん、という一言になってしまいます。

今回使ったスピーカー(写真左下)は、1975年頃の三菱ダイアトーンのDS-251マークツーというものです。
流石に当時良く売れて評判の良かったものだけに、来られた中にもその名をご存知の方がみえました。
自宅に置いておくとちょっと大きいかな、といった筐体ですが、会場に持ち込んでこうして写真を見ると結構小さくみえます。

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下の写真で、手前の方に見えるのは、常連のお一人が40年近く前に自作された真空管式のパワーアンプです。
このアンプに、先日修理を終えたYAMAHAのCA-2000のフォノEQを通したターンテーブルの音を繋いでいるところです。
かなり年代物なので、巧く音が出るか‥‥と心配しながら針を落とすと、とても柔らかな真空管らしい音で鳴り出しました。
スピーカーとの相性も良いようで、やはり年代物動詞の相性は巧くいく、と感心してしまいました。

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結局いつも通り予定を大きく上回り17時近くまで、あれやこれやの意見交換会が始まりました。
やはりレコード好きの皆さんは、オーディオもお好きなようで、使用した機材や技術的なこと、それにレコードのあれやこれやと、この時間が一番楽しい感じでわいわいやってました。


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今回人数的にはそれほど多くなかったかもしれませんが、毎回楽しみにしていただいている様子、またお友達を誘ってくださるなど、〝音斎処〟と岩村の良さを共有してくださる方々が徐々に増えている実感はありました。

次回のテーマは『大瀧詠一さん」ということをお知らせしたら、必ず来ます。との心強いお言葉もいただけました。

今回おいでいただいた方々は、瑞浪、明智と比較的岩村に近い方々から、遠くは豊田、日進、名古屋の緑区からおいでいただきました。

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動く汽車の中でレコードをかけたことってありますか? 或いは、かかってるのを聴いたことはありますか?

おおよそレコードの再生には不向きな場所である汽車(気動車、ディーゼルカー)の中でレコード・コンサートをしたことがあります。それも一度ならず‥‥・

電車というのは、ご存知の通り、パンタグラフから電気の供給を受けてレールの上を走る車両のことです。それに対し、電気以外の動力源でレールの上を走るものを汽車と呼び、古くは蒸気機関車、現在でも気動車(ディーゼルカー)は汽車と呼ばれています。もっとも、この定義では鉄道(車両)に詳しい方からお叱りをうけるかもしれません。単純に、モーターで走るのが電車、エンジンで走るのが汽車‥‥じゃ蒸気は??

自動車同様レール上を走る気動車にしても、ディーゼルと聞いて真っ先に思い浮かぶのはあの独特の振動(音)ではないだろうか。発進時や加速時、或いは停車時に発するあのガクガクとした感じ、特有の振動とそれに伴う音‥‥とてもスムーズとは言いがたいあの感覚というのは、おおよそオーディオの世界とは相入れないものだといえる。そんな車両の中でレコード・コンサートをしてみたいと、無性に考えたことがありました。

高級オーディオ・メーカーにリンという会社があります。この会社のレコード・プレーヤー(針式)に、レーザーターンテーブル(以下LT)が発売されたばかりの頃の価格とほぼ同じ価格の製品があります。例えばこのリンのプレーヤーを私が所有しているとして、友人が「還暦祝いに、今度明知鉄道の車両を借り切って、これでレコード・コンサートしよまい」と誘ってきたとしたら、おいそれと「おお やろまい やろまい」とは応えないだろうと思います。だって「きっと針が飛んで巧くかからん」と思うからである。じゃ明知鉄道じゃなくって、空き家スペースだったらどうだろう‥‥。そんな妄想をしたことがある。きっと空き家スペースなら「運んでって、セッティングするのにめっちゃ大変だから ダメ」となるに違いない。
でも実際はリンではなくLTだから、割りと気軽に二つ返事をしている。
私がLT購入を決めた理由の一つに、気軽に持ち出せる(だろう/はずだ)というのがある。ここにもLTが一般のハイエンド製品と一線を画す特徴があります。

どうにも私にとってオーディオ好き(オーディオマニア)には悪いイメージがつきまとっている。
曰く;パイプを銜え、ガウンを着て、ブランデーグラスを片手に、オーディオルームのロッキングチェアで、ジャズを聴く、偏屈な老人‥‥的な。全くの偏見であるが‥‥的外れとも言い難い微妙感

オーディオマニアから「じゃぁ こんど家のオーディオルームに聴きにくれば」というお誘いは受けたことがあっても、「じゃ 今度 自慢のプレーヤー持って お宅にうかがってもいい?」なんてことは、まずもって聞いたことがないのである。何故なんだろうと色々理由を妄想したことがあるけど、明確な解は得られないまま今に至ってます。ただひとつ思い当たるのは「自信がない」のだろうと‥‥つまり、自分のオーディオルーム以外の場所で、いつも自身が聴いている音を、良いと思っている音を再現できる自信がない、ということではないだろうか。まぁそれ以前の問題として、実際持ち出すとなると大変な労力が必要なのは確かですし。

でもLTで聴くと、結構良い音を場所を選ばずに再生することができるのです。私自身は、音楽というかレコードというか、は皆で色々な所で聴くものだという思い込みが強いので、その思い込みを叶えてくれる機器でないとどうにもいただけない。その点LTはぴったりなのである。

まあスピーカーは超重量級のものもあるので、おいそれと持ち出せないのは判るけど、プレーヤーなんてすぐに持ち出せそうに思える。が、ハイエンドというのは一般人の考えが及ばないのが常、ハイエンド・オーディオ製品とは重厚な家具であったり、繊細な芸術品であったりするのだ。もはや音を楽しむためだけの道具ではなく、地位や富を示すための調度品なのである。だからおいそれと持ち出したりはしないのだ。

マイクロソフト創業者の一人であるビル・ゲイツが『自宅の7000万円かけたオーディオ・システムより良い音だ』と驚いた日本製のスピーカーがあるときく。残念なことに、その後ビル・ゲイツが自宅のシステムを全てそのスピーカーに入れ替えた、という話はとんときいたことがない。事程左様にハイエンドとはステイタスであり機能や性能ではなく、また、オーディオ・マニアとは「究極」といわれる高価なオーディオ製品を取っ換え引っ換え購入し、楽しむ人たちのことを言うのだ、と思って良いのだろう。
その点からいえば私は、オーディオ・マニアでもなければ、レコード・コレクターでもない、タダのレコード好きのオッサンでしかないのである。とにかくレコード溝に刻まれた音を、限りなく忠実に再生してくれる装置があればそれで良い。それだけなのである。

LTであれば、気軽に持ち出せて、色々な場所で、色々なアンプやスピーカーと組み合わせ、色々なレコードを楽しむことができる。LTを購入して以来この二年間で、恐らくそれまでの60年間をはるかに凌駕する量と質のレコードを聴いていると思う。最近では、収入とてないので、お金は出ていくばかりであるが、レコード盤はというとレコード盤の方から勝手に私の所に集まってくるようになった。面白くも有り難いことである。

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誰かも言ってた気がするけど、或いはネットで読んだのかもしれないけど、音を後世に確実に伝える最も有効な手段・フォーマットはアナログ・レコードなんだと、今更ながら思います。なんせ構造はシンプルだし、聴こうと思えば大掛かりな機械や電気などなくても、針か爪楊枝かがあれば何が記録されてるかが判ります。こんなメディア・フォーマットなんて他にないんですね。ハイレゾがどんなに進化したってレコード盤を超えられない。断片をいくら繋いでみても連続にはならない。連続しているように聴こえたり、見えたりするだけなのです。

映像の記録と音の記録の根本的な違いは、映像の記録はその生い立ちからして連続を断片として切り取り、その断片を再び連続しているように見せる技術、であるのに対し、音の記録は連続を連続として残すという考え方による処です。なので映像の方がデジタルに向いている、というかデジタル処理との親和性が高かったわけで、それはパーソナル・コンピュータの世界では映像(処理)の方が早くから、速く進化してきたことを考えてみればよく判ると思います。

単純にいえば、CDは可聴周波数帯のみを記録する、つまり音データの質と量を大幅に低減する方向で停滞したのに対し、映像は解像度を上げる、つまりデータの量と質を大幅に増やす方向で進展してきています。音は、やっと最近になってハイレゾとかが話題になってきたに過ぎないですし、しかもハイレゾになると一気にデータ量が増大してしまい、CD一枚に収まらず、DVDでもLP一枚分がやっとかな‥‥といった根本的な問題は未解決のままなのです。

私は単純に、今後も生き残っていき、50年後、100年後も存在し続ける音の記録メディアはレコード盤だと信じているので、その再生装置としてレーザーターンテーブル(以下LT)を購入したわけです。購入し、使ってみて思ったのは、こんな素晴らしい製品と、それを通じて得られる体験とを独り占めしては申し訳ないということ‥‥やはり音楽の本質から言って、この体験をできる限り多くの人と共有できないか、ということでした。
そんな想いから始めたのが〝音斎処〟という活動なんですが、毎回少しづつでも共感していただける方が増えているのは嬉しいことなのです。

こうしたことをするのに、何故普通のターンテーブルでは駄目なのか‥‥LTでないといけないのか判りますか?

LTと同価格帯の針式ターンテーブルは数多く存在します。LTは世間では高価だといわれますが、オーディオの世界、ターンテーブルの範囲に限定しても、ハイエンドではありません。まだまだ桁違いの価格、つまり一千万円台の製品は幾つもあります。なのでオーディオ製品としてのLTは決して価格的にハイエンドでも、高価なものでもありません。蛇足を加えれば、高価格=高性能でもありませんから、LTの性能が低いということでもありません。

最近また巷間で「コスパ(コストパーフォーマンス)」なる言葉をよくききます。この言葉を使ってLTを表現すれば「コスパ最高のチョーヤベー製品」ということになります。ただここで言う「コスパ」は、本来の意味であって、現在一般的に使われるような意味ではありません。

「コスパ」つまり「コストパフォーマンス」とは本来「費用対効果」を意味するものであり、最近の「安い・お手ごろ・お買い得」の俗称としてのそれではないのです。じゃ本来の意味の「コスパ」は、今どう表現するんだろう、っていう疑問は残りますが‥‥

LTを購入する時に必要な金額と、LTでレコード盤を再生した時に得られる満足感とを比べれば、コストパフォーマンスはとんでもなく高いのです。これはもう体験してみないと判らないことなのですが‥‥。現代流コスパ主義で考えたら、黒色のレコード盤しか再生できないLTなど、絶対に購入しないこと、欲しいとも思わないことです。それよりもコスパ抜群のスピーカーを購入されることをお勧めします。音源などに金をかけず、YouTubeなどでタダで入手することしかしないリスナーに、とても評判の良いスピーカーがあるんです。今までとは全く異なる理論で作られたというこのスピーカーは、YouTubeとはとても相性が合うみたいで、今まで聴こえなかった音がきこえるらしい。もっとも元々録音はされているのに再生し切れていない音は当然聴こえないはずなのですが‥‥。一度LTと繋げて試聴したことがありますが、聴こえなくても良い音まで聴こえてきてしまい驚きました。それほど高性能ということなのでしょうが、やはりオーディオ製品というものには明らかに相性があるのだと良い勉強になりました。

銀行に壱銭の預金もないのに、利息を受け取ることはできないのは、至極当たり前のことでしょう。ところがオーディオの世界に入り込むと、この当たり前のことが当たり前ではなくなってしまいます。とっても不思議な世界なのです。このスピーカーを使えば、銀行預金がないのに利息だけは受け取れるんだよ、と言わんばかりなのは、どうにも貧乏性の私には理解できない処でもあるのです。私の専らの、そして最大の関心事は、レコード盤に刻まれた音を忠実に再生してくれる装置なのです。それは預金に利息など付かなくて良いけれど、元金だけは必ず守ってくれる金融機関のようなものです。

〝音斎処〟で色々なジャンルの様々な時代のレコード盤を再生していてだんだん判ってきたのは、結局はレコード盤の製作技術というか録音技術の優劣が肝心だということです。良い録音盤は良い音を再生してくれます。それは恐らくどんなプレーヤーで再生したとしても、良い音になるはずです。でもLTで再生するとそれがもっと凄いのも事実なのです。

とは言ってもやはり入り口あっての出口なのだと思うのです。元々再生されない音は、どんなに優れた出口であっても、出てこないはずです。もしも入ってもいない人が出口から現れたとしたら、そこには何らかのトリックがあるはずで、もはや忠実度を欠いていると私には思えるのです。そんなわけで私はこの入り口に徹底的にこだわってみようと思っているわけなのです。

ここでやっと問いに戻れます。「LTでなければならない理由」は、50年後、100年後も残り続けるメディア・フォーマットとしてのレコード盤を、その時にそれがつくられた時とほぼ同じに再現できる可能性があるのはLTしかない、と信じているからなのです。

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Twitterでの「高くて買えない」「安くなったら買うよ」なんて言葉(つぶやき)を真に受けてはいけない。実際に買う人というのは、そんなことを言う前に実行してしまうのだ。(やっちゃえニッサン‥‥みたいに)
全く買う気のない人たちが買えない理由をあれこれ並べて騒いでいるのだ。買える人はお金持ち、などとある種揶揄して溜飲を下げているのかもしれない。こうした製品を買う側の気持ちなど、恐らく一生掛かっても判らないだろうな〜と思ったりするのだ。しかも、そうした人たちには基本的にこのような製品の持つ本質的な可能性などに思いも至らないのだと思ってしまう。
レーザーターンテーブル(以下LT)を「高い」という人たちの基準は、恐らく、自分個人の持ち物としての判断しかないように思える。想像力が乏しいのだ。他方「高いかもしれないが価値ある製品だ」と考える人たち、私もその一人かもしれないが、そうした人の基準は、個人としての楽しみや所有する満足を超えた処に、その価値を見いだしている。

Twitterのつぶやきの中に『レーザーターンテーブルによる盤起こしがセールスポイントってどうなんだろう』というのがあったが、こうした発想しか浮かばない鑑賞能力こそ「どうなんだろう」と思うのだ。このつぶやき者にはLTだからこそ持つ固有の可能性など思いも及ばないようで、単なるレコード再生装置の一つのバリエーションとしてしか判断できないようなのだ。

LTを高く評価している角松敏生さんや浜田省吾さん等は、アーティストの中でも特別な感性を持った存在ではないかと思える。あまり知られていないが、LTを所有しているアーティスト(ミュージシャン)は以前からかなりの数存在する。一人で複数台所有しているミュージシャンも多いと聞く。にもかかわらずLTで盤起こしして新作の一環として発表したアーティストは居なかったのだ‥‥何故なんだろう?そんな問いを立ててみると面白い。

アーティストが、自身の過去の発表作品をマスターテープ以外からリイシューするという事例は、かなり画期的だと思われるかもしれない‥‥が、そのこと自体は特に画期的なことではない。よく知られるように、ビートルズのデビュー・シングル「Love Me Do」の9月4日テイクと呼ばれるものは、現在普通に聴ける音源では盤起こしされたものである。先のつぶやき者がこの事例を知った上での発言だったのかは知る由もないが、ビートルズのこの例はビートルズの発表作品の歴史的価値を考えれば非常に重要なものであり、この盤起こしの恩恵を良しとしないビートルズ・ファンなど恐らく居ないだろう。そしてそれがセールスポイントでもある。

こうした歴史的意義がある例を挙げるまでもなく、現在市販されているオールディーズの安価なCD全集などの多くは、この盤起こしが、明示されているか否かは別として、かなり一般的なのだ。

閑話休題

角松敏生さんの例がかなり画期的な点は、LTの使用を公表している点であり、同時に盤起こしも公表していることだろう。

まぁデジタル音源しか聴いてこなくって、パソコン操作すらままならない人が多いと聞く、超デジタルネイティブ世代には理解できないだろうが、磁気テープの物理的限界を迎えつつあるマスターテープの劣化というのはかなり深刻なものらしい。

この何年かの間にビートルズの全作品、LP、シングル、モノラル、ステレオ、が次々とデジタルリマスターとして発表され、ボックスセットなどで発売されて話題となった。つい最近では、映像、PV、テレビ出演、にも同様な処理がされ発表・発売されている。
「これって何故?」「なんで今頃?」と思われた方もいるだろう。「ビートルズ・ビジネスの一環だよ」「ビートルズは儲かるからな〜」「音楽業界最後の頼りはビートルズ」‥‥なんて声きこえてきそうですね。勿論そうした面もあることは事実なんでしょうけれど‥‥

でもね「もう限界なんだな〜 アナログ・テープが」って私は思ったものです。先にも言った通りもうアナログのマスターテープが限界なんです、物理的に。だから今のうちに、せめてビートルズ位は全作品デジタルリマスター化しておかないと、後世に伝えられなくなっちゃうんです(つまり、この先儲けられなくなっちゃう)‥‥そんな危機感が滲み出てると思いませんか?私には感じられて結構痛々しくって、ついつい買っちゃいます(笑)

でもね、ビートルズやストーンズやツェッペリンや‥‥といった大物は良いですよ、金掛けても元取れますからね。でも一発屋はどうするの?一発屋だって凄い曲残してるのいっぱいいますよね。でもそこまで手が回らないし、第一商売にならないんです。
勘の良い人はもう何が言いたいかが判ったと思いますが、レーザーターンテーブルの持つ能力・可能性というのは、こうした処で発揮されるんですよね。だから「レーザーターンテーブルによる盤起こしがセールスポイントって」こうした処なんですよ。(といっても、角松さんの作品がそうだとは言いませんが。)

オリジナル盤を損なわず(非接触)オリジナル盤が作られた時の空気感までも再生できるレコードプレーヤーは、残念なことに世界中探しても、いくらお金を積んでも、LTしかないんです。恐らく角松さんはそうした可能性にいち早く気づかれたんだと思います。そして実践された、数少ない行動派ミュージシャンなのだと思います。

「レコードなんて聴ければ良いんだよ、そんな高いの使って聴かなくっても」という考え方の後世のリスナーに対してさえアーティストは妥協しないんだ、って心から思える。やはり凄い人だなっと尊敬してしまいます。単なる宣伝のためにだけ言ってるんじゃないんですよね。レーザーターンテーブルが売りになるなんて全く思ってないと思いますよ、きっと‥‥でなくって、アーティストとしての衝動がLTによって揺り動かされたんだと思います。

私などはアーティストでもミュージシャンでもない、唯のオッサンですけど、明知鉄道の気動車でのレコードコンサートや〝音斎処〟を始めるきっかけは、LTの持つこうした可能性への気づきにあるので、少し、ほんの少しだけど判る気がします。

Twitterで「レーザーターンテーブル」を検索

最近ちょっとした興味があって、Twitterで「レーザーターンテーブル」を検索してみた。
その結果から、結構面白い妄想が膨らんだので‥‥

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曰く;
『価格が10分の1ぐらいになれば‥‥なんとか買えるけど』
『庶民が買える値段になったら‥‥』
『高すぎてお話にならない‥‥』
『冗談で欲しいけど、冗談で買える価格じゃない‥‥』
『高すぎるっしょ!多分大人になっても買えない‥‥』
『個人の趣味で所有するのは流石に厳しい』

一見すると至極まともな意見と思われるものが、出るは出るは‥‥

でも私にはとてもまともな意見には思えなかった。少なくとも本当に『買う気がある』人の発言とは映らなかったのだ。ネットやSNSのトレンドやキーワードが全く当てにならないのは薄々判っていたけど、これほどまでとは思わなかった。
10代20代の結構若い人たちのつぶやきが多いのだろうけど、それにしても‥‥経済や社会や趣味に関する感覚がこれほど貧弱だとは想像をしていなかった。まぁ今のネット空間というのはそういう人たちが活躍する世界だ、と言われてしまえばそれまでだが、この先どんな世の中になっていくのだろうと妄想すると、結構エグイ。

緒から買う気などなさそうな人たちが「高い高い」「買えない買えない」とつぶやく、自分で確かめもせず又聞きやネットの不確実情報を元に「良い」とか「悪い」とか評価を下す‥‥しかも大半は値段のことで、その値段もコモディティ商品との比較でしかないと思われる。なんと夢の無い世の中になってしまったんだろう。『個人の趣味で所有する』以外誰がこうした製品を個人で買うというのだろうか。『個人の趣味で所有するのは流石に厳しい、ので都民の税金を使って買いました。』ってマスゾエかっ。
因に、現在多くの公共機関や大学でレーザーターンテーブル(以下LT)を持っている所は多いのだが、それが十分に使われているという噂は余り聞かない。

こうしたつぶやきを見てて、私が一番思ったのは『なんでソニーやテクニクスが庶民でも買えるLTを発売しないんだろう?』といった素朴な疑問が一つも見当たらなかったことだ。正しい問いが立てられれば正しい解が得られると言うことは、最近の教育では教えないのだろうか。この素朴な問いは多くのことを応えてくれる。何故LTは高価なのか。何故今後も安価にならないのか。更に「LTが二度と手に入らなくなる事態」をも予測できるというのに。今入手できる最後の一台と考えれば、決して高価なものではなく、入手するためのあらゆる手段を考えるだろうに。

ごくごく単純に考えれば、LTはその機能・性能と価格の比で考えれば決して高価ではなく、むしろ安価な部類だといえる。少なくともアウディTTクーペを買う気になれば、十分おつりがくるくらい安いし、日本の道交法で考えれば、サーキットを除けばアウディTTクーペの性能を(合法的に)十分発揮できる場所など皆無であることを考慮すれば、LTの価格対性能比や購入満足度は際立っている。
自動車とターンテーブルを比較しても無意味、と非難されるかもしれないが、趣味とはそうしたものだ。
iPhoneを筆頭とするスマホとLTを比べては成らないのが趣味の世界だ。何故って今どき若者が趣味でスマホを所有していることなど金輪際無いのだから。

ということで、〝音斎処〟では巷間「高価」と噂されているLTを惜しげもなく(笑)持ち出して、その音の良さを皆さんに「無料」で楽しんでいただいております(笑)。





◇ つぶやきへの妄想返答例 ◇ 

『価格が10分の1ぐらいになれば‥‥なんとか買えるけど』
 〜 今後更に高くなることはあっても、安くなることはありません。しかも10分の1なんて絶対にあり得ません!!

『庶民が買える値段になったら‥‥』
 〜 庶民でも買えますが、庶民の定義にもよります。

『高すぎてお話にならない‥‥』
 〜 高いのは確かですが「すぎて」はどうかと思います。まぁスマホに比べれば絶対価格は高いですが。それより通信費の方が「高すぎ」だとおもいます。

『冗談で欲しいけど、冗談で買える価格じゃない‥‥』
 〜 冗談はやめて、真剣に分割購入を考えるべきです。

『高すぎるっしょ!多分大人になっても買えない‥‥』
 〜 ってことは、大人になっても車も買えないってことですか?確実に車より安いのに。だったら、現政権の経済政策に怒るべきです。

『個人の趣味で所有するのは流石に厳しい』
 〜 いやいや、あなた個人の発想の問題でしょ。趣味じゃなくLT使って新たな事業を興したら?



◇ 『なんでソニーやテクニクスが庶民でも買えるLTを発売しないんだろう?』の単純な疑問についての解 ◇ 

日本にレーザーターンテーブルの技術が紹介された時に、当時の大手オーディオメーカーはこぞってその技術の導入を見送りました。理由は経済的メリット、つまり儲け、が見込めないから。

丁度アナログ媒体がデジタル媒体へと変遷していく時代で、音楽産業にとってはCDが今後有望な技術だという判断があったからです。殊にその流れを作り推し進めていたのはソニーでしたね。だから、ソニーやテクニクスからレーザーターンテーブルが発売されなかったのです。レーザーターンテーブルの最大の特徴、それは則ち経済的なデメリット、は量産ができないということです。量産・大量販売による経済的メリットが見込めず、レコード盤の売上はCDに取って代わられることが予想されれば、誰だって手を出しませんよね。しかもその技術はまだ確立されたものでなければ尚更です。その時この技術の可能性に気づき、製造技術の確立に尽力し、製造販売にまでこぎ着けたのが(株)エルプの千葉社長だったのです。

そうなんです、レーザーターンテーブルは手作りなのです。作っている場所、工場ではなく工房といった方が良いか、を見学させていただいたことがありますが、ベルトコンベアで製品が流れてくるなんてことはなく、人が作業台を移動しながら精密部品を組み上げていくのです。なので、年間100台くらいしか製造できないのです。そんな製品が10万や20万で買える訳ないですよね。
例えは悪いですが、山からタダで採ってきた材料で作る工芸品だって、それ位の値段で売ってますよね。なので、無理なんです、今後大手オーディオメーカーが安価なレーザーターンテーブルを製造販売するなんて。特許がとかコストがとか、そんなことではないのです。もともと要素技術が無いのです。そうした事情を理解できない人には、レーザーターンテーブルの本当の良さは判らないと思いますし、世界で唯一(株)エルプが自社で製造し、直接販売している意味も判らないと思います。私はその会社が日本にあって本当に良かったと思っています。なので価値の判らないものには価格での判断しかないのだろうけど‥‥それはLTにとっても価値を知らない人にとっても不幸なことではあるけれど‥‥まぁそれはそれということで。